■■ Weekly Fax news 644 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 平成23年度資産税の改正 ― 相続税見直しの動き 」
(2)「 何処で開業するか 」
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◆「 平成23年度資産税の改正 ― 相続税見直しの動き 」◆
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税制調査会第9回専門家委員会ではこのほど、資産税に関する改正
をめぐる検討が行われた。平成22年度税制改正大綱の「改革の方向
性/相続税・贈与税」においては、「バブル崩壊後、地価が下落した
にもかかわらず、基礎控除の引下げ等は行われてきませんでした。そ
のため、相続税は100人に4人しか負担しない構造となっており、
最高税率の引下げを含む税率構造の緩和も行われてきた結果、再分配
機能が果たせているとは言えません。また、金融資産の増加などの環
境の変化が見られます。今後、格差是正の観点から、相続税の課税ペ
ース、税率構造の見直しについて平成23年度改正を目指します。」
と謳われている。
今回提出された資料では、『相続税の課税割合及び税収の推移』と
して「バブル期以後は、相続税の課税割合及び税収とも減少傾向にあ
り、足元では、課税割合は、バブル期以前よりも低い水準となってい
る。」とされ、『相続税の負担割合の推移』でも、「個々の納税者ベ
ースで見た負担割合も低下しており、課税価格2億円に対応する負担
割合は、過去最高の課税割合と比較し、3分の1の水準となっている。」
としている。また相続税課税による格差改善度の推移でも、資産の再
分配機能の低下が伺えるとされ、改正の取り組みを匂わせている。
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◆「 何処で開業するか 」◆
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某商工会の依頼で、開店以来営業不振が続くというXラーメン店を
訪問した。駅前通り商店街にあり、駅前の歩行者数も1万人程度ある
賑やかな立地である。1年前に開店したが、来店客数が少なく、採算
割れとのことである。経営者のAさんとしては、メニューには自信が
あるので、立地に何か問題があるのか知りたいとのことであった。一
般に、飲食店の立地は、居住者(人口・年齢構成・所得等)、交通
(道路・鉄道等)、吸引(大型店・公共施設・会社等)の条件によっ
て決まるが、繁盛するか否か実際の立地は複雑である。同じ通りでも、
店舗の間口・形・方角・デザイン等、土地の地形・地勢・地質等によ
って成績が大いに異なる。創業予定者等が不動産屋を廻って店舗探し
をする時、店舗の位置・広さ・家賃等は大いに考慮するものの、前掲
の居住者・交通・吸引の三条件をしっかり確認する人は、案外少ない。
しかし、飲食店や小売店の成績は、大部分が立地条件に左右されるこ
とを認識すべきである。
ところで、X店の問題点は、店舗の方角により午後から入口付近に
西日が差し込んで、通りから店内がほとんど見えないことにあった
(特に、浮動客は警戒心を持つようだ)。入口のガラスドアと店内の
電灯を交換した結果、来店客数をかなり改善出来た。