■■ Weekly Fax News 647 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 ご存知ですか?公売 ― 国税庁が広報 」
(2)「 仕掛けて時を待つべし 」
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◆「 ご存知ですか?公売 ― 国税庁が広報 」◆
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国税庁は広報資料の中で、国民全般を対象に公売の周知と参加の促
進を図っている。公売とは、国税局又は税務署が差し押さえた財産を
滞納国税に充てるため、広く不特定多数の買受希望者を募り、入札又
は競り売りの方法によって売却することをいう。扱われるのは、土地・
建物といった不動産のほか、宝飾品、美術品、家電製品、自動車等様々
な種類の財産。公売財産を所有する滞納者や当局の職員、公売の参加
制限を受けた者の他は誰でも参加できるが、農地等、参加に資格が必
要な財産もある。公売は全国の国税局や税務署の会場で行われるほか、
インターネット公売も行っている。また郵送で入札を受け付ける期間
入札を行うこともあり、この場合も遠隔地の公売会場に出向く必要は
ない。公売では、買受後の返品が認められないほか、品質・機能につ
いて保証がないため、一般的に市場価格より低い見積価額が設定され
ている。不動産については登記簿謄本による権利関係の確認をすると
ともに、実際に現地に行って確かめることが望ましい。動産について
は、「下見会」を開催する場合もある。公売や下見会の予定日、イン
ターネット公売のガイドライン等については、国税庁ホームページに
詳細を掲載している。
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◆「 仕掛けて時を待つべし 」◆
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用意周到、独自の計画や戦略を立てても、商売の成り行きが思うよ
うにならないこともある。7年程前、A氏(当時40歳)は筆者が相
談役を務める公的機関の創業相談を受けに来た。A氏は、自動車メー
カーに勤める傍ら、趣味として木工製作に打ち込んでいた。いくつか
の製作物を持って来所したが、高度な技術を修得しているように見え
た。製作技術面に不安はなく、材料仕入れルート、商品構成、資金計
画等もしっかり策定されていた。同じ趣味や関心を持つ人を集めて、
「販売だけでなく、製作技術を指導する」という経営ビジョンは大変
斬新な業態だ。この時の心配は、同じ趣味を持つ人々が直ちに利用す
るかという事であった。ところで、この商売は、創業後1年は文字通
り泣かず飛ばすであった。独特の店舗システムに馴染めないためか地
域の人々が感心を持たず、来店者数が大いに不足した。相談に再来し
たA氏に対して、店舗周知の為には地域活動(自治会、商店会、子供
会、各種同好会等)に飛び込んで、「仕掛けて静かに時を待つ」こと
を薦めた。先ず店側が各種地域活動に参加することによって、地域の
人々が店に関心を持つようになった。現在、この店には同じ趣味や生
活スタイルを持つ地域の人々が来店している。