■■ Weekly Fax news 651 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 首相年頭記者会見 ― 消費税等6月に方向性 」
(2)「 対症療法的資金繰りの限界 」
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◆「 首相年頭記者会見 ― 消費税等6月に方向性 」◆
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菅直人首相は年頭の記者会見において、社会保障や消費税等の財源
に関する根本改革の方向性を、6月を目途に示すと語った。概要は以
下の通り。「・・平成23年を、ヒト・モノ・カネばかりではなくて、
明治維新や戦後に続く、日本人全体が世界に向かってはばたいていく
という、そうした開国を進めていく元年としたい。そしてこの開国を
進めるためには、貧困あるいは失業といった不幸になる要素を最小化
することが何よりも必要です。社会保障について、今後の不安が広が
っております。昨年の参議院選挙では、やや唐突に消費税に触れたた
めに、十分な理解を得ることができませんでしたが、今、社会保障の
在り方と、それに必要な財源を、消費税を含む税制改革を議論しなけ
ればならないという、そのことは誰の目にも明らかであります。(略)
今がまさにそのときだと思います。しっかりした社会保障を確立して
いくために、財源問題を含めた超党派の議論を開始したい。」「社会
保障とその財源、財源の中には消費税を含む税制改革が含まれますが、
これは一体的なものだと考えています。社会保障とその財源の問題は、
できればできるだけ早い時期に与野党を含めた超党派の協議を開始し
たい。そして、6月頃までを一つの目途にして、一つの方向性を示し
たい」
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◆「 対症療法的資金繰りの限界 」◆
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こんな体験をした方が多いであろう。カゼをひいて熱が出たので強
い解熱剤を飲んだら簡単に下がった。これで安心と思っていたら、次
にセキや微熱等が続いて長期間苦しんだ。カゼ対策であれば、十分な
「栄養」「保湿」「休養」のような人の体の治癒機能確保を中心に据
えなければならない。資金不足のたびに借入金を繰り返すことは、最
悪経営の継続すら危うくなるのである。
知人のA氏は現在2店の居酒屋を経営している。この30年間で経
営危機を数回経験したが、金融機関等から一度も借入をしたことがな
い。売上の低迷はメニューの工夫や経費節約で乗り切り今日まで続い
ている。同じくB氏も現在1店の美容院を経営しているが、一時は4
店経営していた。公的融資による借金を最大限使い、今も収益の大半
が返済に使われている。資金不足は高利の借入によって補っている。
A氏とB氏は両極端であるが、B氏のような対症療法による資金繰
りには限界が来る。公的融資等による厚い保護は貴重であるが、制度
に依存して自身の治癒機能を忘れてしまう危険がある。中小企業の資
金繰りは、根本的に企業の財源体質を改良する経営者の意識改革が最
も大切である。