■■ Weekly Fax News 666 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 倒産防止共済の制度改正 ― 震災に係る債権者への貸付 」
(2)「 得意技を磨く 」
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◆「 倒産防止共済の制度改正 ― 震災に係る債権者への貸付 」◆
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中小企業倒産防止共済制度は、取引先が倒産した場合に、積み立て
た掛金総額の10倍を限度に、無利子・無担保・無保証人で共済金を
貸し付け、中小企業の連鎖倒産を防止する制度。今回の東日本大震災
のような甚大な災害により取引先(債務者)が死亡又は行方不明等と
なり、債務者自らでは債務整理手続を行なうことが困難な事態に対し
ても、共済契約者(債務者)が共済金の貸付けが受けられるよう、制
度が改正された。
現行の共済事由は、
(1)破産法、民事再生法等の法的倒産の申立がされていること
(2)手形取引に係る銀行取引停止処分がされていること
(3)債務者の、私的整理手続(債務者から債務整理の委託を受けた
弁護士等が支払を停止する旨の通知を債務者に発出する手続)
が開始されていること
(4)債務者が振り出した手形等が「震災不渡り(災害による不渡り
のため、不渡り処分が猶予されていること)」となり、支払が
停止されていること(平成23年4月8日に省令改正)。
今回の措置する内容等として、「震災により死亡・行方不明等となっ
た事業者に対する回収困難な債権」についても、共済金の貸付請求が
できるよう、中小企業倒産防止共済法施行規則(省令)が4月22日
付で改正・施行された。
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◆「 得意技を磨く 」◆
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昭和30年代頃までの映画ニュース(当時、映画の前に数分間の社
会ニュースがあった)には、「伸びゆく日本」等と題して、大勢の人
が朝制服を着て出勤し、工場のベルトコンベア前や会社の机に座って
一斉に同じ仕事をしている風景を映したりした。
また当時の学校教育や社員教育は画一化と平等主義を掲げ、成績は
平均点の高い人を優秀とした。何か優秀な部分を持つことよりも、欠
点が少ないことが重要だった。
では、現代社会はどうか。未だ学校教育の評価方法は各科目の平均
点が重視されているが、企業においては何か得意な技術や職能を持っ
ている人が求められる。関係する職務全てが並にできることよりも、
特定分野の職務能力(営業・接客・語学・苦情処理等)が得意である
ことが重視される。一般に、自営業を創業する人は、自分の得意技や
特徴を考慮して業種分野や営業方法を選んでいる。しかし、公務員や
会社員になる際には、どんな仕事を任されるのか分からないで応募し
ているかもしれない。今後、仕事能力の向上戦法としては、不得手な
部分を並にする努力より、自己の可能性を伸ばす得意技を磨く方がず
っと発展が望めるであろう。今こそ、個人も会社も特定の分野を一心
に究めて、競争の武器にするという姿勢が求められている。