■■ Weekly Fax News 667 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 震災への資金繰り支援策 ― 保証枠が3段階に拡充 」
(2)「 機先(きせん)を制する作戦 」
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◆「 震災への資金繰り支援策 ― 保証枠が3段階に拡充 」◆
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「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する
法律」及び「平成23年度第一次補正予算」が成立し、東日本大震災
の被災中小企業者を対象とした、新たな資金繰り支援策の内容が固ま
った。
(1)「東日本大震災復興緊急保証」
(2)「東日本大震災復興特別貸付」
等からなる。特に(1)は、いままでの一般保証(無担保8千万円・最大
2億8千万円/対象:全ての中小企業者/保証割合:融資額の80%)
とは別枠で、2種類の支援策が追加され、全体で3階建ての信用保証
枠となる。ひとつは災害関係保証(対象:今般の震災や原発事故等の
被害を受けた中小企業者等、保証割合:融資額の100%)とセーフテ
ィネット保証(5号)からなり、無担保で8千万円・最大2億8千万円が
利用可、もう一つが「東日本大震災復興緊急保証」(法律により新設)
で、震災被害により経営に支障を来たしている(取引関係での被害含
む)中小企業者等を対象に、保証割合が融資額の100%で利用可と
なった。追加された支援策を併せて無担保1億6千万円、最大5億6
千万円までの利用が可能となる。相談は5月16日(月)、制度運用
は5月23日(月)から実施される。
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◆「 機先(きせん)を制する作戦 」◆
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20年前の古い話であるが、街の薬局からドラッグストアチェーン
20店を創業した某経営者から聞いた地域競争作戦である。「当初、
歴史のある薬局が多い地域(自社の薬局もあった)に出店することで
驚きと驚異を与えた。同業仲間からあらゆる非難はあったが、何の対
抗策もなかった。大きな看板とたくさんの幟等で従業員の自信も喚起
できた。商圏の売上シェアを瞬く間に支配した」と言う(業態の成長
段階により、この作戦は現在通用しないであろう)。
新しい業種業態の導入期には、既存店との競争が課題である。大き
く分けて、既存店に深く配慮した出店をする人と、既存店を敵とみな
して出店する人がいる。結果は、関連既存店に十分配慮して出店した
人より、機先を制して迅速な店舗展開をした人の方が成功しているよ
うだ。
しかしながら、企業存続の為には、たとえ機先を制する作戦であっ
ても成長期後半から長期的な競争思考をすることが大事である。昭和
期歴代首相の顧問を務めた安岡正篤先生は思考三原則として、「目先
にとらわれず、長い目で見る」「物事の一面だけを見ないで、できる
だけ多面的・全面的に観察する」「枝葉末節にこだわることなく、根
本的に考察する」ことを指導した(出典:致知出版社刊『人物を修め
る』等)。