■■ Weekly Fax News 676 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 単一税率と帳簿方式維持 ― 日税連が税制改正で建議書 」
(2)「 天変地異を越えて 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 単一税率と帳簿方式維持 ― 日税連が税制改正で建議書 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
日本税理士会連合会は24年度税制改正に関する建議書を公表した。
建議書は税制改正について30項目に上る建議を行なうとともに、確
定決算基準の維持、消費税の改正、国税・地方税の申告納税の一元化
といった3項目の中期的課題について基本的な考え方や問題意識を表
明した。
消費税の改正では、「消費税率引上げの際の税率構造と仕入税額控
除方式についてはさらなる慎重な議論が必要。当面は単一税率を維持
すべきだ」として、単一税率と帳簿方式の維持を建議した。また、仕
入税額控除方式としてインボイス方式が導入された場合の問題点とし
て、
(1)事務負担も考慮すべき
(2)積み上げ計算を検証するためには、消費税の帳簿記載も不可欠
となる
(3)税額計算が簡単になるという保証はない
(4)免税事業者が取引から排除される
などを指摘した。
一方、国税・地方税の申告納税の一元化については、その前提とし
て、
(1)電子申告・電子納税の環境を一層整備する
(2)すべての地方公共団体にeLTAXの導入が図られる
ことを提言した。
確定決算主義に関しては、維持されることが適当。部分的な申告調
整を導入するとしても、確定決算主義の維持を前提にして最小限にと
どめるべき、としている。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 天変地異を越えて 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
平成23年3月に起きた東日本大震災は多くの人々の生命や財産を
奪った。さらに、電力不足による経済変動その他によって、日本中の
人々が大きな変化に遭遇している。いつの時代も暴風雨・大地震・戦
争等によって人々の生活が激変するものであるが、今回の大地震は戦
後最大の地異であろう。しかし、避難民には大変気の毒だがこのよう
な時こそ不自由な境遇変化を嘆くのではなく、積極的な適応を学ぶ姿
勢が大切である。人は窮極の状態になった時、変化を遂げることによ
って解決の道が見つかるという。『論語』(金谷治訳注、岩波文庫)
にも、「五十にして以て易を学べば、大いなる過ち無かるべし」とあ
る。易とは、変化適応の学問である。要するに、50歳以上の人々で
あっても、本格的に変化適応を学べば何とか大きな間違いをしないで
生活が出来るということだ。
埼玉県内で40年間自動車整備業を営むAさんの会社に長男B(5
1歳)が入った。Bさんはこれまで東北地方で自動車関連の会社を経
営していたが、今回の大地震で工場と自宅が崩壊した。Aさんは自分
の代で廃業を考えていたが、息子の申し出を喜んで受け容れた。Bさ
んは、今は仕事内容の違いや熟練従業員との関係に戸惑っているが、
この変化が自分の運命と覚悟した。