■■ Weekly Fax News 678 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 H23年度税制改正 ― 源泉所得税のポイント 」
(2)「 とんびに油揚げさらわれる 」
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◆「 H23年度税制改正 ― 源泉所得税のポイント 」◆
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平成23年度税制改正法案から一部を分離した法案の成立により、
源泉所得税関係について国税庁がまとめホームページに公表している。
概略は以下の通り。
○自動車等を使用した通勤に対する通勤手当について、運賃相当額
(同距離を鉄道等で通勤する場合必要な運賃の額)までを非課税と
していた措置を廃止し、距離比例額(通勤距離に応じた一定額)を
超える金額を課税対象とする。
○給与等の支払事務所等が移転した場合、移転前の支払に対する源泉
所得税は移転後の事務所所在地で納税が可能
○住宅借入金等特別控除の対象となる住宅の取得又は省エネ改修工事、
バリアフリー改修工事に関し補助金等を受ける場合の、住宅借入金
等特別税額控除額の算出方法が見直しされた
○寡婦(寡夫)への公的年金に係る源泉徴収税額について、公的年金
の支給金額から2万2,500円を控除して計算することとなった。
(特別の寡婦は3万円控除)
○上場株式等の配当等の源泉徴収において、軽減税率が適用されない
大口株主等の範囲が見直しされた
○特定寄附信託の信託財産につき生ずる利子等は所得税を課さない
等。
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◆「 とんびに油揚げさらわれる 」◆
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先日都内の商店街を紹介するテレビを見ていた時のこと、ある芸人
が惣菜屋の前でコロッケを受け取ったところ、突然空から鳥が現れて
一瞬でコロッケを奪い取った。
20年ほど前のバブル経済最盛期の頃の話である。雑貨チェーンX
社の出店候補地の立地調査を行った。生活道路沿いの住宅地に位置し
て、間口の広さや土地の形状に申し分なく、好条件の立地であった。
早速、会社は地主と賃借の交渉に入り、契約条件の説明も順調に推移
していたが、正式契約の直前に地主はライバルチェーンY社と契約を
結んでしまった。突然X社より断然有利な条件を提示されて、地主は
Y社を選んでしまったのである。似たような現象は、商売上よく見聞
きする。例えば、自動車のセールスに何度も訪問し、やっと買う意思
が固まったと思っていたら、突然他のセールスマンから買ってしまっ
た等である。全てのケースに当てはまる防止策は無いが、例えば以下
のような商売上の工夫はある程度役立つであろう。
(1)裏目に出ると失敗するが、短期決戦の商談を決断し、絶対的契
約条件等を最初から明示する
(2)法規制が無ければ飲食や遊興を共にして、仲間意識を形成する
(3)中盤で上司(出来ればトップ)に表敬訪問を願い、契約交渉が
順調に前進していることを示す。