■■ Weekly Fax News 679 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「『国内で販路開拓』4割強 ― 中小企業機構の震災調査 」
(2)「 一大事は目覚め 」
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◆「『国内で販路開拓』4割強 ― 中小企業機構の震災調査 」◆
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中小企業基盤整備機構がこのほどまとめた「中小企業を対象とした
東日本大震災3ヶ月後の影響調査」結果によると、震災後の経営につ
いては「国内での新たな販売先を開拓する」(44.5%)が最も多
く、以下「新商品・製品開発を強化する」(30.1%)、「調達先
の国内分散化を進める」(23.4%)が続いている。一方で「海外
での新たな販売先を開拓する」(15.1%)、「調達先を海外に求
める」(7.9%)、「開発・生産拠点の一部を海外に移転する」
(3.0%)と海外に活路を求める企業もあった。この調査は中小機
構の支援策を活用している比較的規模の大きな全国の中小企業を対象
に実施した。被災地は対象外とした。有効回答は796社。震災の影
響に関しては「出ている」と回答した企業は70.2%、「今後出る」
が16.5%で、9割弱の企業に震災の影響が及んでいる。影響の要
因としては「電力供給の不安定による影響」が41%で最も多く、以
下「消費自粛による影響」(32.9%)、「原発事故の影響」(2
1.9%)、「連携企業が被災したことによる影響」(21.7%)
の順。震災で受けた具体的な内容については「売り上げの減少や利益
率の低下」が70.5%と圧倒的に多く、「原材料・部品の調達が困
難」が41.2%で続いている。
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◆「 一大事は目覚め 」◆
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大抵の人々は日々平凡な暮らしを続けているように見える。ところ
が、長い間には容易ならぬ出来事が多かれ少なかれ起こるものである。
そのような一大事が起こって初めて、積極的な活動に目覚めるようだ。
大変な出来事を経験して奮闘している商店街の具体例を挙げて考え
てみたい。
埼玉県中核都市の駅近くに、郊外の住宅地区と駅を結ぶ国道があっ
た。この道沿いには150店程の商店があり、朝晩は車渋滞や通勤・
通学の歩行者で混雑していて、自然に賑わっている繁盛商店街であっ
た。商店街が道路拡張に反対を続けていた為、国道と並行した場所に
バイパスが通ることになった。やがて、バブル経済の末期にバイパス
が開通した。皆様の想像の通りと思うが、開通後1ヶ月の商店街売上
高は半分、通行車両と歩行者数は三分の一になった。正に、商店経営
の一大事である。その後、100店以下に減少したこの商店街は一大
事に目覚め、組織の組合化、地域住民や地域事業所との連携、各店の
経営改善指導(品揃えの見直し・業種転換・店舗改造・世代交代等)
を積極的に推進している。全国の商店街経営が徐々に厳しくなってい
るが、急激な立地変化等による経営不振を深刻に受け止めたところは、
思い切った戦略転換で生き残り策に目覚めたようだ。
※次号は8月24日となります
(夏期休業の為 来週はお休みです)