■■ Weekly Fax News 682 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 『負担増やむなし』4割超 ― 社会保障サービス意識調査 」
(2)「 相続と事業の継続 」
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◆「 『負担増やむなし』4割超 ― 社会保障サービス意識調査 」◆
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厚生労働省は、21年社会保障における公的・私的サービスに関す
る意識調査をまとめた。今後の社会保障にかかわる税や社会保障の負
担のあり方については、「社会保障の水準を維持し、少子高齢化によ
る負担増はやむを得ない」という回答が43.2%と最も高く、負担
の増加にかなりの程度の国民が理解を示していることがわかった。
「社会保障の水準をある程度引き下げ、従来どおりの負担とするべき」
は20.1%にとどまった。「社会保障の水準を引き上げ、そのため
の大幅な負担増もやむを得ない」は12.4%、「社会保障の水準を
大幅に引き下げ、負担を減らすべき」は8.9%で、ほぼ同程度とい
える割合だった。
少子化対策(子育て支援)のあり方については、「税や社会保険料
の負担を考慮して、現行の少子化対策をより充実させていくべきであ
る」という意見が52.7%と半数を超え、最も多かった。今後の望
ましい老後の生活設計については、「公的年金に要する税や社会保険
料の負担が増加しても、老後の生活は公的年金のみで充足できるだけ
の水準を確保すべき」が43.1%、「公的年金を基本としつつも、
その水準は一定程度抑制し、これに企業年金や個人年金、貯蓄などを
組み合わせて老後に備えるべき」が42.2%と、両方で8割を超え
た。
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◆「 相続と事業の継続 」◆
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知人のA氏夫妻は、15年間後継者として同居の祖父(89歳)が
経営するXレストランで働いてきた(父は別の仕事をしている)。と
ころが、祖父が急死して父とその兄弟3人が店舗兼用住宅とその土地
を相続することになった。祖父の店舗や土地は漠然と父が相続すると
思っていたので、叔父・叔母の法定相続分要求に面食らってしまった。
親族で祖父の仕事に従事しているのは孫のA氏のみで、父や他の兄弟
たちは事業を継ぐ意志は全くなかった。従って、A氏は祖父の財産を
父が相続後は、そのまま店舗や土地の利用ができると考えていた。
話し合いの結果、店舗はA氏の父が相続し、住宅と土地部分は4等
分して父が他の兄弟から分割払いで買い取ることになった。A氏夫妻
は、レストランを廃業するか否かで真剣に悩んだが、地域で評判の良
い歴史ある店だったので継続を選んだ。
相続における平等主義は民主社会の原則であるが、マイナス面とし
て農業や小規模事業所の継続性を阻害しているように思われる。農業
離れや商店の廃業が社会問題になっているが、一部相続制度の見直し
(例えば寄与分評価の重視等)も必要と思われる。事業者や後継者は
早くから相続対策(遺言・生前贈与・遺留分放棄の活用等)を実行す
ることが大切だ。