■■ Weekly Fax News 683 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 パートの社会保険加入基準 ― 見直しとその影響 」
(2)「 他人(ひと)に教えること 」
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◆「 パートの社会保険加入基準 ― 見直しとその影響 」◆
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社会保障と税の一体改革の一環として、厚生労働省はパートの社会
保険加入基準の見直し作業に入ることになった。
まず、年金への影響だが、現状、パートなどの非正規雇用者につい
ては、週30時間程度以上働いている場合は厚生年金に加入すること
になる。週30時間未満の場合で、かつ年収130万円未満の者につ
いては、配偶者が会社員や公務員などの第2号被保険者であれば第3
号被保険者となるため、労使双方の保険料負担はない。
厚生労働省では、この30時間の基準を20時間に引き下げるほか、
130万円未満の年収基準についても引き下げる方針だ。基準の見直
しにより、厚生年金に新たに加入することになるパート労働者が大量
に発生することが予想され、結果的に企業の社会保険料負担は増加す
ることになる。仮に月給100,000円のパート労働者が新たに厚
生年金に加入することになれば、企業は月額8,000円、年間約9
6,000円の負担をすることになる。100人のパート労働者を雇
用する企業では1,000万円近い負担増となり、小売業や外食産業
などの多くのパート労働者を雇用する企業にとっては大きな影響がで
そうだ。
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◆「 他人(ひと)に教えること 」◆
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大抵の人にある経験と思うが、他人に教えることによって、自分の
知識や理解がより深まることがある。税理士や弁護士、医師等が依頼
者や患者の相談を受けることによって年々能力が高まるのは、まさに
この現象かもしれない。
X社(電器部品製造業)の工場では、各部門長の下に数人のリーダ
ーがいて、各リーダーは交替で部下を対象に月1回の研修会講師をす
る。職場内の礼儀作法から技術指導まで、非常に幅広いテーマで実施
する。
リーダーになる前の期間が5~7年あるので、部下の立場で十分な
教育を受けているが、反対に部下を指導する立場になると部下の時に
想像していた以上に難儀することが多くなる。自分の能力不足で上手
な説明ができなかったり、部下が真面目に聞かなかったりと、指導者
の苦労を痛感する。
ところで、一定期間指導者として部下の質問や提案等に応答してい
るうちに、初めて多くの問題点や改善策に気づくことがある。教育さ
れている時は鵜呑みにしていた事柄の真意が理解できることもある。
観点を変えれば、他人に教える者は、漠然と指導するだけでは自身の
向上にはならない。
職場指導に限らず、日頃他人に有益な情報を教えることによって、
自分の情報力が洗練・強化されることを知るべきである。