■■ Weekly Fax News 684 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 パートの社会保険加入基準 ― 見直しとその影響(2) 」
(2)「 専門外の仕事に挑む 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 パートの社会保険加入基準 ― 見直しとその影響(2) 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
既報の通り、厚生労働省はパートの社会保険加入基準の見直し作業
を開始した。企業にとっては年金のみならず、健康保険についての負
担も懸念されるところだ。特に多くの中小企業が加入している協会け
んぽについては、保険料率が上がり続けていることもあり、企業の負
担増が懸念される。
仮に月給100,000円のパート労働者が新たに健康保険(協会
けんぽ)に加入することになれば、企業は月額約4,600円~4,
700円(都道府県による)、年間約55,000円の負担をするこ
とになる。厚生年金と合計すると年額150,000円強の負担増だ。
協会けんぽについては、財政状況が厳しいこともあり、これまで保
険料を負担していなかったパート労働者などの被扶養者などが、保険
料を負担する被保険者となることは財政的にいい条件となる。結果と
して、財政状況が好転し、引上げが続く保険料率が据え置き、もしく
は引下げとなれば、回り回って企業の負担も減少する可能性もあるが、
厚生年金の保険料率については2017年まで引上げ続けられること
が決まっているため、年々企業負担も増加することになる。企業にと
っては少なからぬ影響のある社会保障改革の行方に注目したい。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 専門外の仕事に挑む 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
ふと、自己の仕事分野とは何かと考えて、よく分からなくなること
がある。「この分野が得意だ」「この分野は経験が豊富だ」等の理由
はあるが、結局は「過去、この分野の仕事が多かった」、又は「長年
この分野の仕事を担当していた」という場合が多いのかもしれない。
最近、ある公共機関から福祉施設の職務効率や収支バランスの改善
計画策定支援の依頼があった。福祉関連施設の改善支援等は過去1件
しか経験がなかったので、自信が無く受託に迷いがあった。つまり、
日頃は自己の仕事分野と考えていなかった。
しかし、30年程前に指導を受けた先輩コンサルタントの言葉を思
い出し(初めての仕事は初心者、2回目は経験者、3回目以降はベテ
ラン)、1回か2回だけでも経験者であることを自己に言い聞かせて
受託した。現在、この仕事は少々重荷であるが、関係者の助勢を受け
ながら何とか進めている。誰でも、初めての仕事や経験の少ない仕事
には不安がある。しかし、1回も経験しない以上は経験者にはなれな
い。現代のような消費者の需要が短期に変化する世の中では、経験豊
富な自己の専門分野や得意分野だけに拘る者は、新たな分野を開拓す
るチャンスを知らない。時には、気軽に専門外の仕事に挑む心掛けが
必要だ。