――――◆ 目 次 ◆――――――――――――――――――――
(1)「 動き出した 65歳までの雇用延長 」
(2)「 マナーレベルの重要性 」
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◆「 動き出した 65歳までの雇用延長 」◆
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企業の人事戦略に大きな影響を与えることが予想される高年齢者の
雇用問題。一部の企業で、高年齢者のキャリアやスキルを活用する事
例は発生しているものの、多くの企業では若手社員の活用の場を奪う、
人件費負担が重いなどといった本音が見え隠れする。
厚生労働省の調査では、高年齢者の雇用確保措置を導入している企
業の割合は31人以上規模の企業で95.7%。全企業のうち、「希
望者全員」が65歳以上まで働ける企業の割合は47.9%で、自ら
雇用延長を希望しない定年到達者が24.6%となっている。今後、
年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられることを考慮すると、希
望者全員の雇用延長措置の導入は社会的要請として不可避であること
は否めない。そのような流れを受け、厚生労働省の労働政策審議会の
部会は、企業に対して希望者全員を原則65歳まで再雇用するよう義
務づける報告書をまとめた。雇用先には子会社、関連会社も含めると
しているものの、企業側の負担は大きいだろう。企業としては、高年
齢者雇用について、就かせる業務内容や部署、賃金構造の見直しを含
む人件費の工面など、早期の対策を検討する必要がある。なお、同省
では2013年4月に改正法施行を目指している。
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◆「 マナーレベルの重要性 」◆
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ある雑貨卸売会社で営業マン研修の講師を担当した。この会社はほ
ぼ全員が喫煙者の為か、研修会の間もタバコを吸っている。研修中に
お客様から電話があって(研修は事務室で実施していた)、応対した
社員はタバコを口にしわえたまま話していでるのである。他の社員は
驚く様子も無く見ていた。また、筆者の事務所にも数社の宅配業者が
来るが、各社社員のマナーに特徴がある。X社は、玄関先で社名を名
乗り帽子を取って挨拶をしてから荷物を差し出す。Y社は、無表情か
つ黙って荷物を差し出し、ただ印鑑をくれと言う。X社とY社の車を
街中でよく見かけるが、X社の車は交通ルールをしっかり守って他の
車や歩行者にも親切である。Y社の車は駐車違反や一時停止違反をし
て、他の車に迷惑をかけている。会社等の評価は、正式には業績や財
務状況が主となるが、日常外部の人はマナーや接客態度を見ているも
のである。例えば、担当の銀行員が会社を観察する場合、客観的には
決算書等を確認するが、総合評価には経営者や社員の人間性とマナー
のレベルが大きく影響する。どんなに業績が良くても、大きなマナー
違反や法律違反をすれば信用は失墜してしまうであろう。本当の信用
は、組織全体のマナーレベルが標準以上になって初めて得られるもの
である。