■■ Weekly Fax News 721 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 労使間トラブル ― 依然増加傾向に 」
(2)「 土産話を用意して 」
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◆「 労使間トラブル ― 依然増加傾向に 」◆
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賃金の未払いや職場でのいじめ、解雇等をめぐり、労使間のトラブ
ルは頻繁に発生している。以前は泣き寝入りすることが多かった労働
者側も、労働基準監督署への申告、社会保険労務士や弁護士等への相
談などを通じて、逸失した利益について主張することはもはや当たり
前のこととなっている。厚生労働省では各都道府県労働局、労基署、
総合労働相談コーナーにおいて労働相談を行っている。平成23年度
の相談件数は1,109,454件(前年度比1.8%減)となり、
そのうち、労働基準法や最低賃金法違反などではない、解雇や嫌がら
せ、労働条件の引き下げといった民事上の個別労働紛争相談件数は2
56,343件(同3.8%増)となった。
傾向としては解雇に関する紛争が一番多いものの、近年ではいじめ
や嫌がらせが増加傾向にある。実例として、同僚からの嫌がらせによ
り抑うつ状態となり休業・退職を余儀なくされたケース、同僚により
許可があるまでトイレに行かせないといった嫌がらせを行っていたケ
ースなども起きている。従業員が従業員に対して行った嫌がらせにつ
いても、事業主は責任を問われることになる。トラブル防止のために
も、常日頃から現場の状況をしっかり把握しておく必要があるだろう。
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◆「 土産話を用意して 」◆
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実業家原安三郎氏が若き頃、先輩財界人である根津嘉一郎氏を訪問
したところ、「きみはぼくから聞くばかりだ。少しは土産になる話を
持ってきたまえ」と叱られた話が、作家城山三郎氏の本に載っている
(『打たれ強く生きる』、新潮社発行)。
経営幹部や営業マンが表敬訪問と称して定期的に得意先等を廻るが、
訪問を受けた側にとっては迷惑と思うことが時々ある。訪問する側か
らするとその活動を営業活動や情報収集活動と考えているが、相手の
関心や利益を考慮しない活動は、後日の成果に結びつかないものであ
る。
保険販売をしているAさんは定期的に得意先を廻る際に、本社や営業
部が用意するパンフレット・企画提案書以外に、日頃から収集した新
聞の切り抜きや業界資料を得意先の業種等を勘案して持参する。訪問
した際の世間話として、得意先企業に関連した情報を提供出来るよう
に努める。さらに、相手方が話に関心を抱いて提示した資料より詳し
い内容を求めた場合には、本社の関係部署に協力をお願いしている。
情報収集とは、相手からよい話を聞き出すことだけが目的ではなく、
相手の関心事に焦点を当てて話し合うことである。他人を訪問する時
には、相手の利益になる話題(土産話)を用意することが大切だ。