■■ Weekly Fax News 783 ■■
――――◆ 目 次 ◆――――――――――――――――――――
(1)「 憲法14条1項に違反し無効 ― 非嫡出子の遺産相続で最高裁 」
(2)「 儲けぬ前の胸算用 」
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◆「憲法14条1項に違反し無効 ― 非嫡出子の遺産相続で最高裁」◆
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平成13年7月に死亡した親の遺産について、嫡出子と嫡出でない
子が遺産分割の審判を申し立てた事案で最高裁判所大法廷(竹崎博允
裁判長)は、民法900条4号ただし書の規定のうち、嫡出でない子
の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする部分は憲法14条1項に
違反しないと判断し、同規定を適用して算出された法定相続分を前提
に、遺産の分割をすべきだとした東京高裁の判決を破棄し、事案を差
し戻した。最高裁は、同規定は法の下の平等を定めた憲法14条1項
に違反し無効だとの判断を全員一致で示した。最高裁は判決で、遺産
分割にあたり嫡出子と嫡出でない子が差別的に取り扱われてきた歴史
的経緯やその解消に向けた動きを総合的に考察。そのうえで、遅くと
も相続が開始された平成13年7月当時においては、嫡出子と嫡出で
ない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われており、ただし
書前段の規定は遅くとも13年7月当時において、憲法14条1項に
違反していたと断定した。ただし、今回の違憲判断は、13年7月当
時から今回の決定までの間に開始された他の相続につき、ただし書前
段の規定を前提としてなされた遺産分割審判等の裁判、遺産分割協議、
その他の合意等により確定した法律関係に影響を及ぼさないと明示し
た。
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◆「 儲けぬ前の胸算用 」◆
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某市の商工会議所で開業相談員をした時のこと、開業動機や採算計
画等の説明を始めたところ、「私はそんな捕らぬ狸の皮算用みたいな
ことはしたくありません。むしろ、早く事業に成功して夫婦で世界旅
行に行きたいのです」と言われたことがある。当然、開業の準備とし
ては問題があると思ったが、商売に成功した時の大きな夢が開業の動
機でも良いかもしれないと考えた。X社(居酒屋3店経営)の創業者
X氏は30歳で独立し、計画性に富んだ堅実経営を続けてきた為、比
較的順調に業績を上げてきた。後継者(長男と長女)にも恵まれ、
65歳で仕事から退いた。最初は安楽な生活を楽しんでいたが、やが
てうつ状態になってしまった。自分は一体何を楽しみに仕事をしてき
たのか、と。3年程は病院に通っていたが、ある時知人から農業体験
に誘われてその面白さに感動し、やがて近くに農地を借りて野菜や穀
物を作るようになった。農作業によって金儲けをしているわけではな
いが、何か人生において大切なものを生み出している悦びを感じるよ
うになった。どんな仕事の開業も計画が大事であるが、開業前から計
画達成後(引退後だけでなく途中でも良い)の計画を夢見ることも有
意義であろう。儲けぬ前の胸算用とでも考えて、辛い仕事を乗り越え
て行けば良い。