■■ Weekly Fax News 809 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 コンパクトシティ化の推進 ― H26年度税制改正で優遇税制 」
(2)「 危機を乗り越える素養 」
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◆「 コンパクトシティ化の推進 ― H26年度税制改正で優遇税制 」◆
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政府は今国会で、「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律」
の案を提出した。コンパクトシティ化の推進を目的とした同法案は、
市町村が都市機能の適正化に関する計画を作成できるとし、同計画に
は「居住誘導区域」「都市機能誘導区域」を記載するものとした。都
市機能の計画的な配置を税制面で後押しするため、26年度税制改正
では主に以下の措置が盛り込まれた。
【移転の誘導】都市機能誘導区域内への事業用資産の買換特例として、
売却で得た譲渡所得の80%課税繰り延べ(3年間)。
【都市機能誘導区域の整備のため土地を譲渡した協力者への優遇】
ア.居住用資産を譲渡し、整備された建築物を取得する場合:買換特
例として、所得税で100%の課税繰り延べ イ.居住用資産を譲渡し、
整備された建築物を取得しない場合:所得税・個人住民税を、6,0
00万円以下10%(うち住民税4%)へ軽減(ア.イ.とも恒久措
置)ウ.長期保有(5年以上)の土地等を譲渡する場合:所得税・個
人住民税を、2,000万円以下10%(同4%)へ軽減、及び法人
税を5%重課の適用除外に(3年間)。
また、都市再生推進法人(仮称)に長期保有の土地等を譲渡した場
合も、上記ウ.と同様の措置が受けられる。
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◆「 危機を乗り越える素養 」◆
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会社の危機には、業績不振・自然災害・商品欠陥事故・火災等多種
類あるが、経営陣に関連した事柄も少なくない。
X社(和食レストラン4店経営)は60年前に先代がすし屋を創業
し、2代目社長が和食レストランに業種変更して安定成長を続けてき
た。ところが、社長が出張中に交通事故に遇って就業が困難となり、
実質的な経営は社長の長男で経験10年目のA氏(34歳)が担うこ
とになった。その時、A氏は本店の店長をしていたが、会社の経営面
(人事・経理・仕入・交際接待等)はほとんど経験が無かった。当初
は重い責任に困惑したが、幸いだったのは叔父のB氏が事務責任者と
して働いていた事だった。A氏が社長、B氏が常務として経営を引き
継ぎ、A氏はB氏の指導により真剣に経営管理の修業に打ち込んだ。
最初2年くらいは社員の不安が強かったが、社長としてのA氏の勉強
熱心さと営業力に敬服するようになり、現在は経営成績が一層安定し
ている。A氏は、突然の出来事で後継者としての覚悟をする前に重大
な責任を引継いだ。恐らく、平穏無事な時は発揮出来なかった実力を
現わしたのであろう。「人は危機の時に初めて本当の実力や素質が分
かる」と言うが、平穏なうちから人としての素養と知識・技術等を積
む努力が大切である。