■■ Weekly Fax News 823 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 企業の6割が人手不足を懸念 緊急調査中間集計 ― 大商 」
(2)「 指示待ちの返上 」
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◆「 企業の6割が人手不足を懸念 緊急調査中間集計 ― 大商 」◆
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大阪商工会議所が実施した雇用状況に関する緊急調査結果(中間集
計)で、調査対象となった企業の6割台半ば(64.8%)が人手不
足を懸念していることがわかった。このうち、約3割(30.2%)
が「現在、不足している」と回答。34.6%も「現在は不足してい
ないが、今後不足する懸念がある」と答えた。また、全体の19.0
%、約2割の企業が人手不足で事業に「既に支障が生じている」と回
答。73.8%が「今後生じる懸念がある」と答えた。合わせると実
に92.9%が人手不足による事業への支障を懸念していることにな
る。
人材を確保し定着させるには賃上げなど労働条件改善につながる対
策が必要だが、半数近い47.5%の企業が「既に実施した」と回答。
27.5%が「今後実施を検討中」と答えた。合わせると75.0%、
4分の3の企業で労働条件改善に向けた動きが見られることになる。
そうした対策が経営に与える影響については、約半数近い49.8%
が「人件費アップと収益好転とがほぼ均衡する」と回答。その一方、
35.6%、3割台半ばが「人件費のアップ分を、収益好転ではカバー
できない」と答えた。調査は会員のうち、資本金10億円以下の企業
1,707社を対象に行った。有効回答数は324社、有効回答率は
19.0%。
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◆「 指示待ちの返上 」◆
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「啐啄(そったく)同時」という言葉がある。鳥の卵がヒナになる
時、中から殻をコツコツと突いて親鳥に知らせることが「啐」、親鳥
がすぐに外からくちばしで殻を割ることが「啄」である。「啐」と
「啄」が同時に行われると無事に孵化(ふか)する。経営者や管理者と
の面談で度々耳にする嘆きに、今の若手社員は「指示待ち族」という
ものがある。要するに、部下が上司の指示命令通りには動くが、指示
がなければ何もしないという不満だ。何が原因かと言えば、部下のこ
れまでの行動習慣かもしれないが、家庭・教育現場・職場等で管理す
る側にも対応上の問題があったと思う。
以前、人間修養を積んだ某社の経営者から教えられたことがある。
「上司も部下も、意思疎通に関して一を聞いて十を知ると言う心掛
けが必要だ。特に上司は部下に何か一を教える時、それによって部
下が十くらい学べる工夫が大切だ。部下は上司の考え方や行動予定
を把握して次の指示を予想・準備し、同時に上司は部下が予想した
内容と時機で指示を出せるように努めなければならない」、と。正
に、啐啄同時の精神だ。
指示待ちの返上によって、会社も社員も成長する。指示待ちは、
経営方針が曖昧であったり、上司の仕事の進め方が気まぐれであっ
たりすることが原因かもしれない。