■■ Weekly Fax News 826 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 厚生年金加入逃れ対策に本腰-厚生労働省 」
(2)「 過去の失敗に触れない 」
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◆「 厚生年金加入逃れ対策に本腰-厚生労働省 」◆
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厚生労働省は厚生年金に加入義務がありながら、加入していない事
業所を3年間で半減させる方針を打ち出している。すでに、年金事務
所などから未加入事業所には強い加入指導が行われているところだ。
同省では、これまで横にはつながらないとされてきた役所の垣根を
越えて、国税庁から企業情報を取得し、未加入企業への指導を強化す
る方針だ。元々、法的には加入義務があるため、指導に従わない場合
は強制的に遡及して加入させることもあるとしている。仮に2年遡っ
て加入させられるとなると、2年分の社会保険料の企業負担額はかな
りの額に達するケースも想定される。なお、企業が負担を逃れている
社会保険料総額は約1.4兆円にもなるという調査結果もある。企業
がこれほど巨額の保険料負担を逃れているのか、それとも、厚生労働
省がみすみす取りはぐれているのか、判断に迷うところだが、いずれ
にせよ、年金財源の問題もあり、同省もようやく本腰を入れたと考え
た方がいいだろう。万が一、厚生年金に未加入の企業で、財務的に問
題があるのであれば、給与制度の再構築まで視野に入れて対応を検討
すべきだ。社会保険料の滞納に係る延滞金は一定の期間を超えると1
4.6%にもなる上、最終的には差し押さえまで行われるからだ。
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◆「 過去の失敗に触れない 」◆
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上司等が部下を叱る時、叱る人の性格や年齢・内容・時間・言葉遣
い等によって、その効果は全く異なるものだ。小説にも叱る人の性格
や状況を譬える言葉がしばしば出てくる。一般に、過去の失敗に触れ
ながら叱ると、大抵の人が聞く耳を持たなくなるようだ。例えば、
「埃(ほこり)をはらって持ち出して来て罵(ののし)るという始末
で、七兵衛はほうほうの体で逃げ帰ったのである」(出典:藤沢周平
『孤立剣残月』文藝春秋発行『隠し剣秋風抄』所収)等である。X社
(雑貨販売業)のA部長は、勤務時間中に部下を叱責することは無く、
叱る必要が生じると個別に「昼を一緒にどうだい」と誘う。A部長は
過去の事は一切問わず、今後の仕事に対する心構えを話題にするだけ
だと言う。昼休みは時間の制約があるので、面談は長くて30分であ
る。留意点は、古い過去の失敗を絶対持ち出さない事と人格を攻撃す
るような言葉遣いはしない事である。過去の失敗に触れることは、先
入観を持って叱る事になると言う。過去の失敗を引用するのは、叱る
根拠を示す為かもしれない。繰返す仕事上の不手際を矯正するつもり
であろうが、部下は先入観を持って叱られていると感じる。結果、部
下は上司へ反抗したり、自信を失くしたりしてやる気を低下させてし
まう。