■■ Weekly Fax News 830 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「消費税転嫁状況モニタリング 83%超『転嫁できている』」
(2)「 浮き彫りになる中小企業の後継者問題 」
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◆「 消費税転嫁状況モニタリング 83%超『転嫁できている』 」◆
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経済産業省は、消費税引上げにともなう転嫁状況の定期的モニタリ
ングにおいて、このほど7月の調査結果を公表した。事業者間取引で
は83.4%、消費者向け取引では74.5%の事業者が「全て転嫁
できている」と回答、6月の同調査と比較して、それぞれ+1.2p
t、+1.6ptとなった。「全く転嫁できていない」と答えた事業
者は、事業者間取引で4.0%、消費者向け取引で5.2%、同比較
で、+0.4pt、+0.5 ptだった。事業者間取引における転
嫁できた理由として、「以前より
消費税の転嫁への理解が定着しているため(67.6%)」「本体
価格と消費税額を分けることにより交渉しやすくなったため(19.
9)」「転嫁特措法により規制が強化されたため(8.6%)」とな
った。消費者向け取引における転嫁できた理由としては、「消費者に
おいて消費税率引上げの意義等に対する理解が浸透したため(65.
3%)」、次いで「本体価格と消費税額を分けることにより値上げへ
の反発が和らいだため(23.6%)」だった。
転嫁拒否行為を受けたと回答した111社の事業者のうち、「減額」
と回答した事業者が63.1%、次いで「本体価格での交渉拒否」が
24.3%だった。
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◆「 浮き彫りになる中小企業の後継者問題 」◆
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かつては中小企業の後継者は、創業者一族や代表の身内から選任さ
れることが当たり前の時代もあったが、現在はなかなかそうもいかな
いようだ。
家業を継ぐより、大手企業に就職した方が安全という考え方も広ま
っており、また、適任者が社内にいないという理由もあり、後継者不
在による廃業というケースも頻発している。実際、海外の企業ではそ
のような後継者不在の優良な中小企業を買収する動きもある。東京商
工リサーチのデータによると、昨年1年間で約3万社の中小企業が廃
業している。主因は後継者不在によるものだという。また、内閣府の
「2014年版高齢社会白書」によると、経営者の約3割が65歳を
超える上、国内企業の3分の2にあたる65.4%の企業で後継者不
在となっている。昨今、大企業で「プロ経営者」という言葉が使われ
始めているが、中小企業の後継者は「子ども」が約40%、そのほか、
配偶者や親族を合わせると約70%になるという。できれば身内に、
という心情はわからなくもないが、それでも企業は社会の公器でもあ
るはず。不適任の身内の後継者でも困るし、後継者不在もまた問題だ。
事業主は、いつどのタイミングで後継者を選ぶのかを事前によく検討
し、対策を講じる必要があるだろう。