■■ Weekly Fax News 871 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 6月外国人労働者問題啓発月間 求められる適正な雇用管理 」
(2)「 酒掃・応対・進退 」
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◆「 6月外国人労働者問題啓発月間 求められる適正な雇用管理 」◆
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日本で就労する外国人は増加傾向にある。平成26年10月末現在
の外国人労働者数は約79万人となり、外国人雇用についての届出を
義務化して以来、過去最高となっている。この数値は事業主が適法に
届出している数値であり、届出制度自体を知らない、または知ってい
ても届出をしていないケースなどを含めると、日本で就労する外国人
ははるかに多いと推測される。
就労する外国人が増加する一方で、労使間トラブルも頻発している。
そこで法務省等11省庁は6月を外国人労働者問題啓発月間とし、
「外国人雇用はルールを守って適正に~外国人が能力を発揮できる適
切な人事管理と就労環境を~」をテーマに各種行事を行う予定だ。
特に外国人雇用状況の届出制度の周知徹底、国籍による差別の排除、
日本人であるか外国人であるかを問わず、労働基準法を始めとする関
係諸法令の順守の徹底、安易な解雇の防止などが求められている。
技能実習生を巡る賃金不払いや失踪など、外国人雇用についてはト
ラブルも多い。事業主側の意識の問題もある上、文化や風習の違いも
根深い。 法令遵守としっかりとしたコミュニケーションにより、労
使双方にメリットのある外国人雇用が求められている。
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◆「 酒掃・応対・進退 」◆
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「酒掃(さいそう)応対進退」という言葉は、『論語』の中に見ら
れる(巻第十 子張第十九、金谷治訳注・岩波文庫参照)。大体、酒
掃とは掃除、応対とは挨拶、進退とは立ち居振る舞いで、これらも人
間修養の一環として後回しにすべき事柄ではないと言う。近年、販売
業やサービス業において「おもてなし」という用語がよく使われるが、
その本質を理解している人が少ないように思う。「持て成し」とは、
元来は待遇やご馳走を意味するが、最近使われているおもてなしとは、
快い接客サービスや楽しい空間づくりの演出等を提供することである。
具体的に言えば、店舗内外(旅館ホテルであればロビーや客室等)の
清掃、接客の挨拶、出迎え・見送り、身なり、姿勢や表情等がお客に
とって快適かつ楽しいことである。昔、武家等では重要なお客を迎え
る時、門前や玄関の清掃を徹底したそうである。大名や旗本は、婚儀
の際に門の建替えや新築までしたと言う(江戸幕府十一代将軍徳川家
斉の姫様が加賀藩に嫁ぐ時に建てた現在の東大赤門は有名)。ホテル
や飲食店が旨い料理を出したり丁寧な接客態度で持て成したりするこ
とは大切である。しかし、まずは清掃・挨拶・姿勢・親切な動作・身
なり等の形(外見)を整えることが、おもてなしの第一歩となる。