■■ Weekly Fax News 309 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 消費税『総額表示』― 実施まで後2ヶ月余り 」
(2)「 経営理念の樹立 」
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◆「 消費税『 総額表示 』― 実施まで後2ヶ月余り 」 ◆
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消費税の総額表示方式がスタートする4月まで、後2ヶ月余りとな
ってきた。そこで、総額表示で問題になりそうな点を改めてチェック
してみた。
まず、価格表示の方法である。財務省では、「価格表示」について
「価格表示の方法は、商品やサービスによって、あるいは事業者によ
ってさまざまな方法が考えられますが、例えば、現在、税抜価格9,
800円で販売されている商品であれば、値札等に消費税相当額を含
めた『10,290円』を表示することがポイントになります」と述
べている。要するにひと目で支払い総額が分からないと総額表示に該
当しないということである。例えば、〈税抜9,800円+税〉〈9,
800円税抜〉〈税抜9,800円 税490円〉の表示は認められ
ない。一方、単価や手数料の表示方法はどうするのかという問題もあ
る。少し戸惑うのは、不動産の仲介手数料の表示だ。例えば、税抜表
示で「売買価格の3.00%の手数料」としていたものは、総額表示
では、「売買価格の3.15%」と表示することになる。なお、免税
事業者の価格表示は、総額表示の対象にされていないが、財務省では、
「仕入れに係る消費税相当額を織り込んだ価格を表示することが適性
といえます」としている。
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◆ 「 経営理念の樹立 」 ◆
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「一体、自分は何のためにこんな商売をしているのだろうか」これ
は最近よく聞く中小企業経営者の言葉(嘆き?)である。
Aさんは二代目経営者である。先代から商売を引き継いで15年全
く心休まる暇無く、取引先接待や資金繰りに苦労している。経営相談
などに乗っているとき、Aさんの時々発する言葉が、前掲の「一体、
自分は何のために・・・」である。
数年前、経営理念を再検討しましょうという提案をしたが、1日延
ばしになっていた。先代が作った経営理念が応接室に掲げられていた
が、Aさんも社員もずっと無関心であった。
そのAさんが、会社の存在理由や事業目的を見直して経営理念を明
確にしたいと言い出した。その真剣で明るい態度は周囲の者も驚くほ
どで、Aさんは自分の経歴や会社の経営資源などを踏まえて、まもな
く立派な経営理念を新たに樹立した。
経営理念を作ると売上目標や経営戦略も前向きに考えられるように
なり、経営成績が良くなって社員の労働意欲が高まった。
一番効果があったことは、Aさんの表情が明るくなり、リーダーシ
ップが発揮出来るようになったことである。今も接待や資金繰りで大
変ではあるが、愚痴や不満な態度も表さず、自分の境遇に従っている。