■■ Weekly Fax News 383 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 一期一会の経営 ― この感動にファンが広がる 」
(2)「 シニアマーケットの時代 」
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◆ 「 一期一会の経営 ― この感動にファンが広がる 」 ◆
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愛媛県宇和島市の焼き肉レストラン「東洋軒」に入ると、それぞれ
のテーブルに置かれた一輪挿しに、きれいなお花が活けてあるのに気
づく。社員やパートさんが通勤途上で摘んでくるのだ。
魚釣りの帰りに寄ったお客様が、焼き肉を食べて一杯飲んで家に帰
る。「今日は釣れたよ、ちょっと見て」とクーラーボックスを開ける
と、中に氷がいっぱい。「えっ、こんな氷を入れた覚えはないけど・
・・・そーか、東洋軒のおねえさんが入れてくれたんだ」と、こうい
う店である。
注文した焼き肉が運ばれ、お客様が食べようと思ったら携帯電話。
社長からの電話なので店の外へ出てやりとりする。長電話が終わって
戻ってきてみると温かいご飯に取り替えてある。お客様が頼んだタク
シーがなかなか来ないのを知った店員が、「私がお送りしましょう」
と自分の車を運転する。お客様がお連れした赤ちゃんがむずかると、
店員が先を争うように赤ちゃんを取り上げ、食事を終えるまで遊び相
手になったり、ミルクを作ってあげて、お客様がゆっくり食事を楽し
めるように配慮する、などなど。
同社の経営理念にある「お客様をうずかせ感動する店をつくる」が
そのまま生きている。そこにはマニュアルを超えた心がある。
今日、一度きりかもしれないこのお客様に最高のおもてなしをする
という「一期一会」の思想が商売の原点であることを教えてくれる。
無数にある同業者の中で当社を選んで頂けた、そのことを無上の感謝
の心でおもてなしする。その心がお客様の感動を呼び多くのファンを
作っていく。そして、その原点は「人の喜びをわが喜びとできる」日
常の生活にあるのです。
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◆ 「 シニアマーケットの時代 」 ◆
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新聞を開くと、何処かに必ず「少子化対策」「高齢化社会」という
言葉が見つかる。確かに、現在65歳以上の高齢者比率は19%程度
であるが、2015年26%、2025年29%と推定されている。
平均年齢も現在の43歳から、2015年46歳、2025年48歳
と上昇することが推定されているからである。
以上の結果は、高齢者が急増して生産年齢層に大きな負担がかかる
という現象が心配される。しかし、今のような福祉国家にとって社会
的負担(税金や年金保険掛金等)は心配であるが、絶対乗り切れない
ような社会現象なのであろうか。例えば、生産人口(15~64歳)
の割合は、2025年でも、1950年とほぼ同じ60%である。大
きな問題だから、ビジネスのみについて考えてみよう。
これからはシニア層(大体50歳代以上)の需要や消費動向を抜き
にしたビジネスは考えられない。人口割合が大きいだけでなく、今後
この世代に入る人々はIT社会にも対応出来る。過去において「経済
の高度成長」の中心層であった人々が、今度は「消費の高度成長」を
実現させるかもしれない。シニアマーケットの特性は今やシニア世代
になっても30年以上の平均余命があり、消費行動も収入・身体・家
族構成・価値観等により非常に多様性に富むことである。新しいビジ
ネスの潮流を予感する。