■■ Weekly Fax News 415 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 経営改善と気の入れ方 」
(2)「 経営革新は心の革新 」
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◆ 「 経営改善と気の入れ方 」 ◆
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最近、飲食店の店舗診断をまとめて10店実施した。勿論、各店の
課題やその深刻度はまちまちであったが、経営改善に対する経営者の
意欲はさらに大きな差が感じられた。
ある店舗では、店主夫妻が日頃考えている問題点をメモしておいて、
真剣に納得するまで次々に質問する。別の店では、店主が迷惑そうに
対応して、こちらからの質問に嫌々ながら答える。これは、少々の工
夫では改善出来るはずがないと諦めている場合や、あと数年で廃業し
ようと決めている場合などに見られる。経営者と指導者双方の気の入
れ方が、店舗によって全く違うのである。
よく言われることであるが、医者と患者の関係に似ている。必死に
病気を治そうとしている患者を前にすると、医者も力を尽くして治療
にあたる。当然、治療効果が上がる確率が高くなる。病気治療などと
同様、経営を改善したいなどという物事の現象も気を入れた方向に進
んでいくのであろう。気を入れて共同作業にあたると、お互いの心情
が推測出来るようになる。気が入ると、お互いに相手が何を考えてい
るのか知ることに意欲を持ち、経営者が指導者に対してどんなアイデ
アや提案を期待しているのか理解出来るようになり実際に湧いてくる
であろう。
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◆ 「 経営革新は心の革新 」 ◆
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経営革新を付したセミナーが各地で開催され、参加者も多いことか
ら関心度が高いことが分かる。景気回復が鮮明になるにつれて、事業
改革に取り組む経営者が増えてきたようだ。他方、景気回復によって
逆に滅入ってしまった経営者が一部いる。
Aさんは、経営する会社が非常に厳しかったが、これまで「景気回
復は遠くない」ことを頼りに頑張っていた。ところが、最近の景気回
復によってうつ状態になり、やや投げやりなことを言うようになった。
景気回復から自分の会社が取り残されていると思うようになったから
だ。「こんなに頑張っても、持った運命にはかなわない」「景気回復
で国の金融支援も力が抜ける」など。
「幸田露伴」は『努力論』の中で、「世上の成功者は皆自己の意思
や知慮や勤勉や仁徳の力によって自己の好結果を収め得たことを信じ
ており、そして失敗者は皆自己の罪ではないが、運命の然らしめたが
ために失敗の苦境に陥ったことを嘆じて居る」と言っている。成功者
は自分の力として運命を捉え、失敗者はどうにもならない運命の力と
して自分を捉えているのである。
運には宿命と立命があるが、運は文字通り地球の自転と公転の如く
日々動いているものであり、運を自分の努力と責任で切り開いていく
心の革新(立命)が必要である。