■■ Weekly Fax News 440 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 種類株式の評価の明確化 ― 東商が要望 」
(2)「『 帳簿 』を避ける経営者 」
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◆「 種類株式の評価の明確化 ― 東商が要望 」◆
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東京商工会議所はこのほど行った「平成19年度税制改正に関する
要望」の中で、「相続の際の予測が困難」として「種類株式の評価方
法の明確化」を求めている。
同会議所の要望書は、この点について「今般の会社法施行により、
会社の運営についての自由度が高まり、会社の運営の実態に合わせた
手法がとりやすくなった。特に完全無議決権株式や譲渡制限株式等の
種類株式の活用が容易となり、会社の運営権を維持したまま、会社の
株式により資産分与を図るなど、中小企業の円滑な事業承継に向けた
活用が期待されるところである。しかしながら、現在のところ、種類
株式に関する評価方法が明確になっていないことから、種類株式を活
用しようとしても、相続の際の株式評価額を予見することが困難であ
り、その活用の阻害要因となっている。このため、予測可能性や透明
性を高める観点から、財産評価基本通達における種類株式の評価方法
を明確化すべきである」と述べている。
また、同会議所は同時に「包括的な事業承継税制の確立」を要望し、
「現行の相続税の課税理念を見直し、事業資産については、事業を継
続することを前提として非課税とすべきであり、まずは、後継者が非
課税の自社株式を保有している間は、相続税の課税を猶予すべきであ
る」としている。
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◆ 「 『 帳簿 』を避ける経営者 」 ◆
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家族経営をしている事業所に行って、決算内容や資金繰りの説明を
始めると、途端に逃げ腰になる経営者が少なくない。
例えば、A自動車整備会社(社員8人)で経営状況を社長に説明し
た時のこと。
「売上の伸び率に比べて、借入金の増加がずっと大きいですね」
「借入れや帳簿のことはすべて息子の嫁に任せています。私に聞いて
も分かりません」「では、社員の未払給与の件を…」「それも嫁がや
ってますから、私は…」「では、専務(息子さん)に説明を…」「息
子も帳簿は分かりません。ずっと車の修理と整備だけやってきました
から」
結局、経理をしているお嫁さんに説明して終わりになったが、この
人も会社の経理や経営について勘違いしているようだった。
「嫁入りして、20年間経理を任されています。借入れのために銀
行へ行くし、申告の時は会計事務所にも行きます。材料や部品の仕入
れもしています。給与支払の手配から、社員採用の面接をすることさ
えあります。手形も書きます。だから、社長と専務は車のことだけ考
えていれば済みます」
A社の社長も専務も現場の仕事は熱心に行って、お客様の信頼はあ
るのだろう。しかし、お金を準備したり、経営成績を検証したりする
ことも経営者の仕事である。