■■ Weekly Fax News 502 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 事業承継税制の抜本拡充 ― 平成21年度改正で創設 」
(2)「 逆境の時 」
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◆「 事業承継税制の抜本拡充 ― 平成21年度改正で創設 」◆
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本年度税制改正における中小企業関連の大きな改正として、事業承
継税制の抜本的拡充が挙げられる。農地等の相続の納税猶予制度にな
らって、依然より同族株式相続の80%納税猶予の要望はでていた。
事業承継協議会(中小企業庁主催)において、個人の事業承継と最低
限同レベルにしようという強い意見もあり、今回現行の10%減額から
80%納税猶予に改正された。対象会社は中小企業基本法上の中小
企業。発行済株式総額20億円未満の対象会社要件ははずされ、対象
会社の裾野が広がった。他の要件として評価額10億円限度もはずさ
れたが、発行済株式総数の3分の2以下は守られた。また被相続人の
要件として、会社の代表者であったことと、被相続人と同族関係者で
発行済株式総数の50%超の株式を保有かつ同族内で筆頭株主であっ
たこと、が必要で、相続人も同様の要件を満たす必要がある。また5
年間の事業継続が条件。中身としては代表者であり、雇用の8割を維
持。相続した対象株式の継続保有が必要。
死亡までの保有など一定の場合に納付免除となる。今後「一定の場
合」の内容がポイントになろう。適用は「事業継続円滑化法(仮)」の
施行日(平成20年10月予定)以後の開始した相続から。
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◆「 逆境の時 」◆
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人の性格や能力は、順境の時よりも逆境の時の方が明確になるので
はなかろうか。逆境になった途端に、普段は親切で穏やかな人が自暴
自棄になったり、反対に平素は余り取り柄の無かった人が意外な行動
力で苦難を乗り切ったりする場合がある。
逆境には、病気・事故・災害・失業・貧乏・失恋等無数にあるが、誰で
も長い人生の途上において必ずどれかに遭遇するであろう。仕事上起
こる逆境も同様である。例えば、長く商売を営んでいれば、業界不振で
いくら努力しても報われない時期があったり、競争激化や新商品の登
場で経営危機に直面したりすることは珍しくない。
では、逆境の時、人はどのような心構えで対処したら良いのだろうか。
回答は実に難しいが、一つの考え方を示せば、「どんな時も志と目標
を強固に持ち続け、自分自身の生き方や能力を信頼する」こと、そし
て一心に努力を続けることではなかろうか。昔、有名な禅僧が「どう
しても解決出来ない困ったことが起こったら、この手紙を読みなさい」
と、弟子達に遺言書を渡したそうだ。何十年かして難問が発生した時、
この手紙を開封したところ、「心配するな。何とかなる」とだけ書いて
あったそうだ。この通り、逆境の時は心配することよりも、何とか乗り
越えられるという信念が大切だ。