■■ Weekly Fax News 514 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 足利銀行の受け皿 ― 野村FP・NCPグループに 」
(2)「 一歩先を見る 」
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◆「 足利銀行の受け皿 ― 野村FP・NCPグループに 」◆
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金融庁はこのほど、足利銀行受け皿として、野村フィナンシャル・パート
ナーズ株式会社及びネクスト・キャピタル・パートナーズ株式会社を中心
に構成される企業連合「野村FP・NCPグループ」を選定した。今後、本年
7月1日を目途に同グループが株主となる持株会社が、足利銀行の全株
式を預金保険機構から譲り受け、足利銀行の特別危機管理が終了し、
通常の地域銀行としてスタートすることとなる。株式譲受金額は1,200
億円。これまでの経緯については、足利銀行は、平成15年11月29日、
預金保険法第102条の規定に基づき金融危機対応会議の議を経て、
一時国有化の措置が講じられた。その後、新経営陣の下での成果が認
められ、平成18年9月、足利銀行の受け皿について「足利銀行の受け皿
選定に関するワーキンググループ」において具体的な検討を開始。
基本的な審査基準としては、
(1)金融機関としての持続可能性(サステナビリティー)
(2)地域における金融仲介機能の発揮
(3)公的負担の極小化、を持って検討された。
受け皿選定作業として
○受け皿候補の募集、応募書類の審査(第一次審査)
○事業計画書の提出要請
○事業計画書に基づく審査(第二次審査)
○譲受条件等の提出要請、譲受条件等を含めた最終審査(第三次審査)
を経て、「野村FP・NCPグループ」が最終的に選定された。
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◆「 一歩先を見る 」◆
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X社(食材卸業、従業員15人)から中期経営計画の策定指導を要
請された。X社は新たに物流倉庫の建設を予定しており、資金調達に
関連して銀行から経営計画書の提出を求められたのである。
まず、創業者の社長から会社沿革や実績の聞き取りを行ない、経営
理念や経営ビジョン(主として今後の経営規模や取扱商品)をまとめ
ることから始めた。創業して30年経つが、正式に経営計画を作るの
は初めてであった。最初、社長は計画作りに余り乗り気でなかったが、
計画策定の進行に連れて強く興味を持つようになり、仕上がった計画
書を見た時は感動の表情になっていた。
社長は会社の問題点を探り、その経営改善策を工夫することにも目
覚めた。「誠に迂闊で恥ずかしい限りだが、創業して30年、初めて正
式な経営計画書を作った。今回、過去の経営状況を振り返ってみて、
これまでいかに無計画な経営をしていたか良くわかった。経営はドン
ブリ勘定ではなく、数字に基づき作成した一歩先を見た経営計画が重
要且つ必要であることを実感した」と。
その後X社は、経営計画書の策定を機会に事業承継計画を作成する
こととなった。従来は後継者(社長の長男)が決まっているので問題な
いと思っていたが、計画的に実施する必要性を痛切に感じたのである。