■■ Weekly Fax News 517 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 倒産件数18.4%増 ― 負債総額は5兆5322億 」
(2)「 種を植える 」
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◆「 倒産件数18.4%増 ― 負債総額は5兆5322億 」◆
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2007年度の倒産件数は1万1333件となり、前年度(9572件)を
18.4%上回った。2008年3月には1127件発生し、2005年4月
以降で最多となり、増加基調が強まっている。
帝国データバンクの集計によると、負債総額は前年度比5.2%の
増加で5兆5322億円であったが、負債100億円以上の倒産は69
件と、総じて大型倒産は低水準で推移した。バブル処理型の案件が
一巡したと見られるため。業種別に見ると、7業種すべてで前年度比
増加。業界環境の悪化が深刻な建設業(前年度比14.2%増)や、
個人消費の低迷の影響が大きい小売業(同28.1%増)が目立つ。
主因別では、「不況型倒産」が8779件となり、前年度を21.8%
上回った。資金計画の行き詰まりにより、設備投資や経営計画の失
敗による倒産も増加傾向にある。
負債額別に見ると、負債1億円未満の中小・零細企業の倒産は67
98件で、前年度を20.6%上回り、全体の約6割を占めた。年度末
にかけては中規模クラスの倒産も散発、負債10億円以上50億円
未満の倒産は618件発生、前年度比21.4%の増加となった。資
本金別に見ると、個人経営および資本金1000万円未満の小規模
倒産が大幅増加となった。
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◆「 種を植える 」◆
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大作家幸田露伴によると、「福」には三種の使い方があると言う
(出典:『努力論』)。すなわち「惜福」(幸福を使い尽くさず、適度に
抑制すること)、「分福」(幸福を独り占めにしないで、他人にも分け
ること)、「植福」(幸福を使い切る前に、次々に幸福の種を植える
こと)である。最も重要な福の使い方は、「植福」の心掛けである。
Aさん(輸入雑貨販売店を30年間経営、従業員15人)の経営哲
学には、単に商品を一生懸命売ることではなく、他人が気づく前に商
品を発掘し、人脈作り・輸入手続き・配送・陳列・店舗演出等の計画
を徹底的に準備することである。経営者の主な仕事は、販売の旗振り
よりも販売までの準備活動がより優先すると考えている。
Aさんの店舗も10年前はその業績の浮き沈みが極端で、主力商品
トレンドの成り行きで極楽と地獄を行き来していた。偶然に商品が当
たれば幸福を満喫し、「惜福」や「分福」は勿論、次の商品計画を練
るというような「植福」など全く考えなかった。
ところが、偶然知り合った経営コンサルタントから「あなたの店舗
経営は山菜採りのようなものだ。時季によって採れたり、全く採れな
かったり」と言われて発奮した。「収穫は必ず種を植えて待たなけれ
ば安定しない」ということを悟ったのである。