■■ Weekly Fax News 530 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 骨太改革‘08の税制改革 ― 相続税の見直しを明言 」
(2)「 値下げ合戦から値上げ合戦へ 」
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◆「 骨太改革‘08の税制改革 ― 相続税の見直しを明言 」◆
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政府はこのほど、経済財政諮問会議と臨時閣議を相次ぎ開き、経済
財政改革の基本方針(骨太の方針)を決定した。その中で税制改革に
関しては以下のようにまとめられている。「税体系の抜本的な改革に
向けて(税制改革の重点事項)」として、消費税を含む税体系の抜本
的な改革について、早期に実現を図ること。
改革のポイントとして、
(1)生産性向上を促し、成長力を強化する
(2)税制が社会保障とともに再分配機能を適切に果たすようにし、
世代間・世代内の公平を確保する
(3)少子高齢化の下で、社会保障を支える安定的な財源を確保する
(4)低炭素化促進の観点から税制全般を見直す、が挙げられている。
それらの重点事項として、(1)に関しては、法人の税負担水準に
ついて、課税ベースの拡大を含めて対応する。その際、社会保険料を
含む実質的な企業負担にも留意する、としている。(2)では、企業型
確定拠出年金における個人拠出(マッチング拠出)の導入等について
検討する、控除制度の在り方など、その課題の検討に着手する、とし
た上で、「資産課税(相続税)を総合的に見直す」と明言。また、(3)で
は、あらゆる世代で広く負担を分かち合う、とし、あらたに納税者番号の
導入に向けて、社会保障番号との関係の整理等を含め具体的な検討
を進める、としている。
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◆「 値下げ合戦から値上げ合戦へ 」◆
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経済は生き物という言葉を実感するような景気変動が起きている。
例えば、物の値段である。数年前まではデフレが叫ばれ、値下げ合戦
を展開した。
ところが、最近は原油等の資源高を原因に商品の値段が日々上がっ
てきている。今度は、原料コストや仕入コストの上昇を如何にして売
値に転嫁するかの勝負であり、以前とは反対の値上げ合戦である。
さて、商売人は一般に値下げ状況と値上げ状況のどちらの場合によ
り意気込むだろうか。値下げの時は、「覚悟の値下げ断行」とか「値
引き大特価セール」とか、強くお客様にアピールする。値上げの場合
は静かに値札を変えて、緊張して売れ行きの様子を窺う。しかし、意
気込むのは、値下げよりも値上げなのである。何故か。
第一に、値下げ競争をしても客単価または客数が増えない限り売上
高は低下する。経営は利益が大事であるが、一般に売上高の低下は喜
ばないものだ。
第二に、値上げの時は、コスト上昇が10であっても、工夫次第で
15とか20とかの値上げができる(チャンス到来)と考えるようだ。
少なくても、売上高の上昇を目論む。
第三に、戦後63年の経験である。多くの人々が、物の値段が上が
る時は景気がよく、下がる時は不景気であると思っている。