■■ Weekly Fax News 541 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 パートタイム労働法の概要 ― 紛争の援助・調停事例掲載 」
(2)「『 形落ち 』の魅力 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 パートタイム労働法の概要 ― 紛争の援助・調停事例掲載 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
厚生労働省は、政策レポートとして「パートタイム労働法」の概要を取
り上げ、改めて制度の理解と活用を促している。中でも都道府県労働局長
による紛争解決の援助(第21条)と調停(第22条)では、下記のような2つ
の解決事例を掲載しているのが注目される。そもそも第19条(苦情の自主
的解決)、第20条、第21条の対象となる苦情・紛争は、事業主が措置を
講じるべき義務事項及び差別的取扱いの禁止となっている。またパート
タイム労働者が援助や調停を申し出たことを理由に解雇や配置転換、
降格、減給、昇格停止等の不利益扱いが禁止されている。
【事例1】
パートタイム労働者Aは、正社員への転換制度が曖昧でいまだ実績
がゼロであることで事業主に抗議したところ取り合ってもらえず、
第21条に基づく援助を申し出た。⇒解決例:双方の事情聴取の後、
転換制度の具体的制度を助言し、転換試験の設置が導入された。
【事例2】
パートタイム労働者Bは、パートであることが理由で解雇された。
違法解雇として金銭補償をもとめ第22条に基づく調停を申し出た
⇒調停会議において、事実関係が確認され、調停案として「事業主
は解雇前半年分の賃金を払うこと」とする調停案に、双方が受諾す
ることで解決が図られた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 『 形落ち 』の魅力 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
ある有名漫画家の講話で聞いた話であるが、漫画の面白さを分類す
ると、3種類の「落ち」があるそうだ。すなわち、「形落ち」(面白い顔や
動作等)、「看板落ち」(面白い表示物やフレーズ等)、「言葉落ち」(面白い
話や言い回し等)がそれである。絵を使って面白さを表現するのが漫画の
真骨頂だから、形落ち・看板落ち・言葉落ちの順に価値が高いそうだ。
ブティックや宝飾品店等の接客態度を見て気づくことは、顧客に店
舗の魅力を訴える最大の道具は店員の表情や姿勢・動作等に依って決
まるように思える。商品を説明する言葉や看板類は二の次の手段と思う。
店員の服装・身なり、表情(笑顔や目線)、待機姿勢、店内での歩行、
お辞儀、商品の扱い方、包装の手際よさ等の「形」によって、接客の質が
決まるのではなかろうか。
筆者が関与する宝石店では、等身大の鏡の前で朝晩2回以上、服装
などの身なり、正しい姿勢やお辞儀、生き活きとした表情(笑顔や目の
動き等)を確認することを義務付けている。毎日続けることによって、
自然に店員の表情が豊かになり、且つ自分の姿かたちに自信を持つ
ようになった為か動作が機敏になった。漫画の「形落ち」とは目的が違
うが、販売における接客も「形」の良さを大事にしなければならない。