■■ Weekly Fax News 548 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 年末の資金繰り ― 半数超の企業更に厳しく 」
(2)「 メシの種を探す 」
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◆「 年末の資金繰り ― 半数超の企業更に厳しく 」◆
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中小企業の資金繰り悪化が進んでいる。
帝国データバンクの調査した結果(対象2,681社:有効回答企業数
1,954社)、現在の資金繰り状況について「厳しくなっている」と回答し
た企業は同26.3%(2,880社)で、4社に1社が資金繰りに厳しさを
感じている。そのなかで、「中小企業」は同29.1%で、大企業と中小
企業で資金繰り格差ができている。また業界別でみると、「不動産」や
「建設」「小売」が高く、3割を超えている。悪化しはじめた時期を尋ねた
ところ、8月以降の直近3ヶ月で38.3%(1,102社)と4割近くに達す
るなど、資金繰り悪化に直面する企業が8月からの3ヶ月間に集中して
いる様子がうかがえる。
2008年末の資金繰り見込みに関しては、現在厳しさを感じている
企業の51.0%が「さらに厳しくなる」と回答している。また、厳しさを
感じないと回答した企業も、同18.2%が年末にかけて「厳しさが見込
まれる」と回答している。その結果、全体の30.7%の企業が、年末の
資金繰りの悪化を見込んでいる。主な悪化要因は、「売り上げの低迷」
が構成比73.8%(3つまでの複数回答)となり最多となった。次いで、
「仕入れコストの増大」「金融機関の貸し渋り」「売掛金の回収難」等が
挙げられた。
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◆「 メシの種を探す 」◆
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「メシを食うために仕事をしているよ」景気が順調で仕事が忙しい時
このように言うと、何か哀れな境遇を卑下するように聞こえる。ところ
が、不景気になって会社がバタバタ倒れるようになると、定職がいか
にメシの種として貴重であるかを思い知る。
日本では、江戸時代まで米本位制の経済であった(大名であれば~
藩何万石、藩士は禄高~石によって、収入と権威が決まった)。メシの
種と言えば、米を中心とする五穀(米・麦・あわ・きび・豆)を獲得するこ
とであった。九菜(芋・大根・人参・牛蒡・かぶ・蓮根・にら・にんにく・
ネギ)や工芸品等は副産物であった。当時の飢饉とは(現代の大不況
に相当)、米の不作であり、全員がメシの種を失うほど深刻な社会問題
であった。
ところで、現代の会社や商人にとって、究極のメシの種とは一体何
か。特徴のある商品や技術、工場や設備、豊富な資金、土地や建物
だという人もあろう。確かに大事な経営資源である。しかし、もっと根本
的なメシの種はないのだろうか。松下幸之助氏の口ぐせは、「私は人を
作っています」だったそうである。想像するに、この場合の「人」とは、
バランス感覚を持ち、信用・モラル・人間性を優先しながら仕事に打ち
込む人材獲得を求めたのであろう。一番長続きするメシの種だからで
ある。