■■ Weekly Fax News 552 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 不動産等市場活性化対策 ― 中小業者に一部無保証融資 」
(2)「 中くらいの景気 」
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◆「 不動産等市場活性化対策 ― 中小業者に一部無保証融資 」◆
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政府はこのほど、「住宅・不動産市場活性化のための緊急対策」を
正式発表した。サブプライムローン発端の世界的な金融市場の混乱に
より、資金調達が困難となった不動産業界への支援を行ない、速やか
な景気回復を目的とし、黒字倒産等への対策として、企業が黒字でも
利用可能な異例の措置。
供給者向けの施策として(1)住宅金融支援による事業資金の調達
円滑化支援(2)日本政策金融公庫の危機対応円滑化業務を活用した
資金繰り支援の2つがある。(1)は、住宅金融支援機構のまちづく
り融資制度(敷地内に有効な空地を確保する等の優良な住宅事業への
機構による直接融資制度、中小事業者に対しては無保証融資を実施)
の対象事業の拡充を行ない、住宅・不動産市場の活性化と良好な市街
地環境の確保を図る。中小事業者の特例として、中小事業者(資本の
額3億円以下又は従業員300人以下)に該当し、保証人が確保でき
ない場合には、保証を付さないで融資を受けることができる。無保証
融資の場合のリスクは出資金で対応する。(2)については、不動産
向け貸出残高は6月末から9月末まで1.2兆円も減少している状況
や、国内金融機関が不動産業に対する融資制度を厳格化している情勢
を踏まえ、こうした急激な信用収縮への対応としての支援となる。
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◆「 中くらいの景気 」◆
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何度迎えても、なぜ年末はせわしいのだろうか。それでいて何か新
しいことが始まるような期待感を持つのか。童謡で言えば、「もうい
くつ寝るとお正月~♪」のような。しかし、収入も人並みにあり年越
しの準備も安心であれば問題なかろうが、失業していたり、年末の借
金返済に目途がついていなかったりすれば、本当に辛い時期であろう。
江戸時代の名作、井原西鶴の『世間胸算用』などを見れば、庶民の年
越しの苦労(食糧の掛買いや借金の取り立て)は昔からずっと続いて
いたことがわかる。
ところで、年末における世の中の景気はどのくらいが一番安心であ
ろうか。
今(2008年12月)のような、突然の不景気の襲来は最も不安
であるが、他方過去を振り返るとバブル景気が来るのも、後の反動を
考えると一層恐いような気がする。結局、一般に景気も他の何事も中
くらいが安心で、世の中には一番良いようだ。二宮金次郎に「水車の
理論」というものがあるが、まさに両極端はどうもうまく回らないよ
うだ。すなわち、「水車は適度に水中に入っているから具合良く回り
続ける。完全に水中に入ってしまっても、反対に完全に水から出てし
まっても全然回らない」
好景気でなくてもいいから、年末は中くらいの景気で、中くらいの
幸せが欲しい。