■■ Weekly Fax News 562 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 雇用助成金 ― 申請100倍に 」
(2)「 風習の変化による業種の盛衰 」
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◆「 雇用助成金 ― 申請100倍に 」◆
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【 11月 8800人 → 1月 88万人 】
減産などで余剰人員を抱えた企業に対し、解雇ではなく休業などで
雇用維持を図ってもらおうと、国が休業手当などを助成する「雇用調
整助成金」の利用申請が急増している。厚生労働省の27日の発表で
は、先月1ヶ月だけで1万2640事業所から申請があり、対象従業
員は87万9614人に上った。国が景気対策で昨年12月に助成要
件を緩和したためで、人数ベースでは12月の約6倍、11月の約1
00倍となっている。
都道府県別では、愛知県が1991事業所(10万978人)と最
も多く、静岡県の897事業所(6万6005人)が続く。中小企業
からの申請が目立つ。
昨年12月は1783事業所から13万8549人、11月は19
9事業所から8873人の申請があった。
企業は従業員を休業扱いにした場合には、休業手当を払う必要があ
る。厚労省は昨年12月、助成要件を緩和したほか、中小企業への休
業手当の助成率を3分の2から5分の4に引き上げていた。
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◆「 風習の変化による業種の盛衰 」◆
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X社(引越し業)のA社長が戦略策定の件で相談に来た。X社はメ
ーカーの原材料運送を請け負っていたが、30年前に引越し業に転向
し大きく成長した。しかし最近10年は競争が激しくなり採算性が悪
化していた。嵩張る荷物が減っている為か、客数は増えているが客単
価が年々落ちていた。
昭和30年代頃までは、引越しは自分で行う(又は友人や同僚に手
伝ってもらう)という習慣があった。ところが、そのような習慣が薄
れ、且つ経済成長によって嵩張る荷物を(大型家具・ピアノ・家電品
等)を多く持つようになり、自分だけでは引越しが困難になった。そ
の結果、躍進したのが引越し業者であり、その後は業界が大きく成長
した。
ところが近年、一般に家具や家電品が小型化し、さらに生活習慣や
建設設計の変化(例えば、収納スペースの確保によってタンス等の家
具を必要としない)によって、引越しの際に大型の荷物が減少してい
る。
業種の盛衰は、その時の風習風俗によって変化する。経営者として
は、現況がそのサイクル(導入期→成長期→成熟期→衰退期)のどれ
に該当するかを見極めた戦略を選択しつつ、風習や生活スタイル等の
変化を一足先に感じ取らなければならない。X社のA社長は今後の経
営戦略として差別化戦略を前面に出す決断をした。