■■ Weekly Fax News 566 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 身内への『お手盛り給与』?― とある個人事業の税務調査 」
(2)「 接客サービス度の迷い 」
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◆「身内への『お手盛り給与』?― とある個人事業の税務調査」◆
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最近あった税務調査の一例を紹介する。神奈川県横浜市で美容院を
営む個人事業。従業員6名のほか、事業主の娘が専従で働いている。
調査は二日間の日程で、初日の午前中は店舗の全体像の質問であっ
た。休業日、一日の来客数、月のうちの繁忙な日・曜日の有無、従業
員数や客単価など、当たり障りのない質問のようであった。
午後になると、売上日報、領収書控え、請求書、給与明細等と帳簿
の確認が始まった。給与明細を確認する中で6名いる従業員の仕事内
容、資格の有無、勤続年数、給与規定の有無など人件費についての質
問が集中する。もちろん架空人件費はなく、源泉徴収も問題なく行っ
ており事業主は安心していたという。
ところが次に、専従者給与の質問となった。事業主の娘は資格こそ
ないものの、朝の掃除から帰りの片付けまで一日中他の従業員と一緒
に働いている。賞与は夏冬2ヶ月ずつを支払っていたのであるが、こ
れは専従者給与の届出に記載している範囲。しかし、他の従業員には
夏冬1ヶ月ずつしか支給しておらず、明らかに身内に対するお手盛り
給与だとの指摘を受けた。今も争っているが、他の事業所のデータを
見せられなかなか難しい状況である。こうした追及の例もあることに
留意されたい。
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◆「 接客サービス度の迷い 」◆
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時々、「お客様への接客サービスはどの程度が良いですか」という
質問を受ける。即答する場合は、自分が買い物する立場になり「入店
が自然に出来て、期待する助言や案内があって便利だなと思うような
接客態度が必要」だと答えている。
基本的な接客とは一般に、次のような点を的確かつバランス良く実
行することだ。
1.接客言葉と接客動作を場面に応じて使うこと。
2.顧客が満足する商品の説明や助言をタイミング良く行うこと。
3.回遊が便利な店舗空間を提供し、顧客が選び易い陳列方法で商品
を揃えること、等。
接客の言葉と動作は、店内に活気と魅力が生まれるかどうかの決め
手となる。例えば、早すぎる(または間の抜けた)「いらっしゃいま
せ」は、顧客の購買意欲を低下させることになる。また、店員のせわ
しい商品説明や推奨等は、顧客の再来店を阻止することになる。「売
る人」と「買う人」が、自然に呼吸できるようなバランスで対応する
姿勢が求められる。
接客サービスは、業種や店舗構造による違いはあるが、顧客の買い
物慣習と来店目的を思いやり「買う人」の立場で決めれば良い。「ご
来店頂き、感謝致します」という表情・言葉・動作で対応すれば、何
か迷いのある顧客であっても、喜んで来店する。