■■ Weekly Fax News 576 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 雇用の過剰感続く 」
(2)「 貸す人の悩み 」
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◆「 雇用の過剰感続く 」◆
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長引く景気の低迷を受け、企業業績も一向に上向かない状態が続い
ている。財務省が発表した2009年1月~3月期の法人企業統計で
は、企業全体の売上げは311兆円で前年同期比20.4%減となっ
た。経常利益は4兆1,074億円で同70.1%減となり、いずれ
も過去最大の減少率を記録している。
業績の悪化に伴い、設備投資の抑制やコスト削減など、各企業とも
各種の対策を講じている。今回の発表でも企業の設備投資額は12兆
5,922億円で、前年同期比25.3%減となっている。また、コ
スト対策のうち、近年顕著となっているのが雇用調整だ。これまでも
福利厚生負担が重い正社員を非正社員に切り替える動きはあったが、
最近では非正社員の契約を打ち切るケースが頻発している。雇用調整
はなお進んでおり、役員の人数は前年同期比5.9%減、従業員数は
同6.6%減となっている。また、賞与含む役員給与は前年同期比5.
7%減、賞与含む従業員給与は同7.8%減、福利厚生費は同9.3
%減となった。
それでもなお雇用にかかる負担は企業にとって重いようで、実際、
今回の発表でも労働分配率(企業が生み出した付加価値のうち、人件
費として労働に分配される率)は過去最大となっており、雇用の過剰
感は依然根強いと言えるだろう。
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◆「 貸す人の悩み 」◆
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表題は、「借入の悩み」と取り違えた訳ではない。自治体の広告誌
・ラジオCM・車内広告等が救いの手を差し延べる相手は、金を借り
て困っている人である。金を貸して困っている人(ここでは金融業者
を除く)に呼び掛けるものをあまり見た事がない。
友人知人・兄弟・親戚等に金を貸して(又は保証人になって)悩ん
でいる人は大勢いる。借りて悩んでいる人に匹敵するかもしれない。
個人の貸借は余裕のある者が貧窮した者に貸したように見えるが、実
態は半数以上は全く違うのではなかろうか。
例えば、友人や兄弟が開業するというので家を担保に銀行から借り
て協力した、実家の商売が傾いたというので親兄弟から貸付を求めら
れた、親戚に突然不幸があり泣きつかれたので預金を解約して貸付た
等「断り切れずに」貸す場合が珍しくない。
問題は、約束通りの返済がない時である。個人間の貸借には正式契
約書がない場合も多い。ビジネスの融資とは違い、毅然とした返済要
求や裁判による法的回収にも躊躇する。従って、相手に返済能力があ
っても心情的に強制的取立てが困難である。
なお、どうしても断れない友人や親戚から借金や保証を求められた
ら、贈与出来る金額(たとえ返済が無くても請求しない覚悟)を申し
出ることも一方法と言われる。