■■ Weekly Fax News 585 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 協会けんぽの保険料が都道府県ごとに 」
(2)「 見えない所を見極める 」
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◆「 協会けんぽの保険料が都道府県ごとに 」◆
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昨年10月に全国健康保険協会が設立され、旧・政管健保は協会け
んぽとして生まれ変わっている。従来、健康保険料率は全国一律で、
地域での疾病予防の取組みや健康への意識向上などが保険料率に反映
されることはなかった。このことが医療費の増大につながっていると
の指摘もあり、06年度の医療制度改革において都道府県単位の運営
を基本とする方針が出されていた。
本年9月分(10月納付分。任意継続被保険者については9月納付
分)から医療費の地域差を反映した都道府県ごとの保険料率が適用さ
れることとなる。これにより、企業の所在地によっては健康保険料の
負担額が上がる(下がる)ことも起こり得るので、自社に適用される
保険料率を事前に確認しておきたい。
なお、保険料率が最も高いのは北海道で8.26%、改訂前0.0
6%アップすることになる。逆に保険料率が最も低いのは長野県で8.
15%、同0.05%ダウンとなる。現時点では保険料率について激
変緩和措置がとられているため、本来設定されるべき保険料率に比べ
て地域間格差がでないようになっている。しかし、いずれは完全に地
域の実態が保険料率に反映されることになるため、企業においても医
療費の無駄遣いを省くよう従業員教育にも力を入れるべきだろう。
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◆「 見えない所を見極める 」◆
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「先生、Y社から大型商談が入りました」現在X社(宿泊施設食材
卸)は新規売上開拓に躍起になっているが、思うように成果が現れず
困っていたところ突然、規模の大きい顧客の方から取引が持ち込まれ
た。結果、A社長は喜んで成果を報告して来た。
筆者:「社長、報告を頂いて助かりました。当社の破綻が防止出来
たようです」
A社長:「そうでしょ。お陰で、この開拓でわが社もなんとか乗り
切れます」
筆者:「違いますよ。Y社との取引は留保ですよ。うまい話の典型
かもしれません」
一般論であるが、苦労しても成果が上がらないような時こそ「棚か
らぼた餅」のような話には要注意である。「規模が大きい」「看板や
CMをよく見聞きする」「社屋が立派だ」等、外見だけで判断すると
内部に起こっていることが分からないのである。
このような時、相手会社の信用を見極めようとする経営者であれば、
「Y社の今までの調達先はなぜ供給しないのか」(Y社の経営に不安
があって、取引を辞めたのではなかろうか)、「なぜ取引実績の無い
わが社なのか」(わが社のように売上開拓に奔走している所ならば、
規模の大きい会社を信用するのではなかろうか)等と警戒をするであ
ろう。幸運と思うような話が舞い込んだ時こそ、相手の内部を見極め
ることが大切だ。