■■ Weekly Fax News 611 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 保険料率のきなみアップ ― 雇用への企業負担増続く 」
(2)「 品質管理のゆくえ 」
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◆「 保険料率のきなみアップ ― 雇用への企業負担増続く 」◆
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雇用にかかる企業の負担は増加傾向にある。厚生年金保険の料率は
毎年上がり続けており、また協会けんぽの保険料率も大幅に引き上げ
られている。厚生年金保険の料率は毎年10月納付分から0.354
%引き上げられることになっているため、年々負担が増えることとな
る。
さらに4月からは雇用保険の料率も引き上げられる。現在、0.8
%(労使折半)の保険料率が1.2%に引き上げられる。企業はさら
に雇用保険二事業分が現在0.3%から0.35%に引き上げられる。
固定的な人件費負担に音を上げる企業も少なくない中、これらの負
担増は企業にとって少なからず影響がでるだろう。そのため、正社員
を雇用することを避け、派遣社員や契約社員、アルバイトなどにシフ
トする動きがこれまで以上に活発となることも予想されている。
人件費負担が少ない非正社員ということは、働く側から言えば給料
が低いということとなり、また不安定な非正社員雇用では所得を支出
に回すより、なるべく貯蓄に回そうとする動きが強くなる傾向があり、
そのことが結果的に景気の低迷にもつながっている。一方で、優秀な
人材はより待遇のよい職場を目指すため、人材確保と人件費負担の両
面で、企業にとっては難しい運営を迫られることとなる。
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◆「 品質管理のゆくえ 」◆
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先日、農産物直売所に立ち寄り、大量にあったフキノトウを買った。
ところが、調理して食してみると独特の香りも何もなく、全く無駄に
なってしまった。出荷者・販売者共に品質確認をしていないのであろ
う。
農産物と工業品の品質を一概に比較出来ないが、工業品は一般に同
一物を大量に製造する場合が多く、欠陥品等の発生によって被害者が
何万人になったり、時に製造者の経営が傾いたりすることもある。
現在もマスコミである自動車の欠陥が話題になっているが、実は日
本の欠陥車問題は、昭和40年代から大きな社会問題になっていた。
ただ、当時と現在で異なるのは、まだ輸出台数やアメリカ等の現地法
人の生産台数も少なく、欠陥が発生してもほとんど国内問題で済んで
いたことである。
自動車に限らず、電機・機械・医薬品等の品質に大きな障害が発生
すれば、今は国内問題に止まっていない。環境汚染等と同様に、個々
の企業責任に止まらないで国家間の経済紛争になる懸念すらある。
以上は、大企業だけの問題ではなく、中小企業における輸出や海外
生産も品質管理を厳重にしないと、その紛争処理費用にも耐えられな
くなる場合がある。特に工業品の品質管理は、今や国際的な対応を視
野に入れた取り組みが必要になっている。