■■ Weekly Fax News 617 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 小規模および中小企業支援 ― 退職金や連鎖倒産防止が拡充 」
(2)「 予約制の興亡 」
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◆「小規模および中小企業支援 ― 退職金や連鎖倒産防止が拡充」◆
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小規模企業共済法と中小企業倒産防止共済法の一部改正法がこのほ
ど国会で成立し公布された。今回の改正で小規模企業共済法の加入対
象者が個人事業主の配偶者や後継者などの「共同経営者」まで拡大さ
れる。また、個人事業主の親族ではなくとも、「共同経営者」であれ
ば加入できるようになり、共同経営者は掛金が全額所得控除の対象と
なり、受け取れる共済金も退職所得控除等の対象となる。
中小企業倒産防止共済制度は、取引先が倒産した場合に、積み立て
た掛金総額の10倍を限度に、無利子・無担保・無保証人で貸付け、
連鎖倒産を防止する制度。
主な改正点として、
(1)取引先の私的整理の開始を知らせる「通知」が届いた場合、
共済金の貸付けが受けられる。これは、弁護士・認定司法書士
の支払停止通知があった場合が対象となる。
(平成22年夏までに実施)。
(2)共済金の貸付限度額が3,200万円から8,000万円に引
き上げられ、償還期間上限が5年から10年に延長される。掛
金月額上限は、現行5千円~8万円が5千円~20万円になり、
掛金総額上限は、現行320万円が800万円となる。
(3)貸付金を繰り上げて償還した完済者に対し、新たに手当金が支
給される。
(早期償還手当金の創設)
(平成23年10月までに実施)。
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◆「 予約制の興亡 」◆
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今年もゴールデンウィークが近づいてきた。毎年、この時期は旅行
に行こうと思っても宿泊料が高く、宿の予約も難しい。
日本で宿泊の予約制がいつ始まったかは知らない。テレビ時代劇等
を見ていると、夕刻旅人が宿場町に通りかかり、旅館の人が呼び込み
をする場面がある。当時は予約の通信手段も少なく、徒歩のために予
定通りの行程が出来なかった。日本の宿泊予約制は、団体旅行の流行、
一斉休日の普及等が発端であろう。
ある観光セミナーで聴いたが、今でもドイツでは、泊まる当日に観
光案内所に行って宿を探すそうだ。また、フランスは国内を3地域に
分け学校の夏休みと冬休みをずらし、ドイツも8地域に分け夏休みを
分散している(日経新聞2010年4月19日朝刊より引用)。日本
でも、祝日を地域別に分散するために8地域の自治体で実験が始まる。
既に会社や地域の団体旅行は減少しているので、さらに休日が分散す
れば、厳格な宿泊予約は減るかもしれない。
平成になった頃から美容・理容・歯科等も予約制が一般になった。
しかし、低価格の理容院では予約制がなくなる等、サービス提供方法
の変化によって予約制の必要制が落ちている分野もある。需給変化等
により、予約制が今後も続くとは限らない。