■■ Weekly Fax News 623 ■■
――――◆ 目 次 ◆――――――――――――――――――――
(1)「 H21確定申告状況 ― 件数が10年ぶりに減少 」
(2)「 経営資源は発掘するもの 」
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◆「 H21確定申告状況 ― 件数が10年ぶりに減少 」◆
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国税庁はこのほど、平成21年分の所得税、消費税および贈与税の
確定申告状況をとりまとめ公表した。所得税の申告状況は、2,36
7万4千人で、これまで最高だった平成20年分(2,369万3千
人)から1万9千人減少(△0.1%)し、10年ぶりの減少になっ
た。その中で申告納税額のあるものは717万6千人で、所得金額合
計は35兆3,865億円、申告納税額は2兆2,726億円となっ
た。前年比較するといずれも5%~14%減少している。事業所得者、
その他所得者いずれもそれぞれ減少している。逆に、還付申告は1,
299万3千人となり5年連続で過去最高を更新した。
土地の譲渡所得も前年と比べ減少し、特に所得金額は2兆1,31
2億円となり、前年比33.8%の減となる。株式等の譲渡所得の申
告に関しては、申告者および所得金額のある者は増加、ただし所得金
額は一割以上減少した。個人事業者の消費税も申告件数2.1%、納
税申告額7.7%といずれも減少し4年連続の減少となった。
贈与税の申告状況に関しては、暦年課税を適用した申告納税額は8
16億円であり、前年比較で2.9%減少、また相続時精算課税の申
告納税額は219億円で前年比19%の増加となった。
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◆「 経営資源は発掘するもの 」◆
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数ヶ月前から、通勤電車の途中駅に登場した風景がある。この駅は
郊外の小駅で、周囲に草原があるような所である。この草原につがい
のヤギが飼われるようになり、単線のため交換待ちで退屈する時には
大変効果がある。ヤギが無心に草を食む風景は、観光客からも大変人
気があるようだ。
観光と言えば、市町村役場の街づくり担当者や観光担当者からよく
聞く言葉に、「うちの町には自然や歴史的遺物等の観光資源が無くて
困る」というものがある。確かに、町によっては有名な観光資源に乏
しい地域もある。しかし、筆者は「人が長年住み続けた場所には必ず
自然や歴史があり、何らかの観光資源は絶対存在する。今無ければ発
掘しましょう」と提案している。
ところで、町の観光資源と同様に、企業の経営資源も最初は創造又
は発掘するものである。例えば経営者に差別化戦略を提案したとする。
「うちの会社に特別なものは無い」という経営者に対しては、「特徴
のある商品や技術等は最初から存在した訳ではなく、人が苦労して作
ったもの」と話す。
商品や技術の経営資源に限らず、有能な人材・資金調達の工夫・新
情報の収集等の経営資源は全て、経営者がビジョン(事業分野・規模
等の目標を達成する為の展望)を明確に持つことで発掘出来るもので
ある。