■■ Weekly Fax news 633 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 緊急保証制度累計21兆円 ― 返済緩和の変更も高水準 」
(2)「 百里を行く者は 」
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◆「 緊急保証制度累計21兆円 ― 返済緩和の変更も高水準 」◆
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景気対応緊急保証制度の利用実績が、7月15日現在で、前身の緊
急保証制度がスタートした2008年10月末からの累計で、20兆
9278億円に達している。開始20ヶ月の保証承諾額が、12年前
の金融危機の際の類似施策「中小企業金融安定化保証制度」と比較し
ても、その96%に迫っている。施行時の異常な資金需要は落ち着い
てきたものの、引き続き高い水準で推移しているようだ。11年3月
末が適用期限となるが、同制度が延長されるかどうか焦点となってき
ている。現在、保証枠36兆円の58%が消化されている。今後月5
千億円のペースで利用が続く見込みとされており、このままいくと今
年度末には26兆円に達する見通しとなる。
同じく11年3月末期限を迎える、金融円滑化法の影響で、返済緩
和の条件変更の事案も増加している。ちなみに、地銀64行の同法施
行の2009年12月から3月末までの実施状況は、申し込みを受け
た貸付債権の債権数が15万1125件で、債権額は4兆4960億
円であった。そのうち実行に係った条件変更件数は、11万7588
件(保証協会の保証付き含む)であり、全体の中での実行割合は77.
8%となっている。また、債権額では3兆7059億円(同)となり、
同じく実行割合は82.4%となっている。
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◆「 百里を行く者は 」◆
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創業した事業を一時的に成功させることは、あまり難関ではないか
もしれない。しかし、長期計画によって大きな目標を達成することは、
多くは非常に困難であろう。
その原因の一つが、驕り(油断とも言える)である。特に初期段階の
成功が曲者で、計画の前半を無事に通過して、自己の能力を過大に評
価してしまうのかもしれない。
X社(飲食店経営)は、10年前に元々各自の飲食店を営んでいた3
人の友人が大きな夢を抱いて合同会社を始めたものだ。この会社は立
ち上げから5年で、大きな障害に遭わず5店舗を経営するようになっ
た。
ところが、経営者3人の役員報酬を高く取り、従業員数が50人を超
すようになると、店長任せの経営をするようになった。また、経営者
は仕事よりもゴルフやヨット等の趣味を優先するようになり、採算性
や資金繰りが怪しくなってしまった。やがて、有能な店長が次々に退
職して店舗閉鎖が重なり、現在は2店のみ営業している。
X社の長期計画は10店を経営することであったが、半ば成功したと
思う時点が早すぎたようだ。10店が目標であれば、10店の営業を
開始し、その店舗の定着に取り組んで道半ばとなる。中国の古典に、
「百里を行く者は、九十を半ばとす」とある(出典:『戦国策』)。
最後の仕上げに、驕りは禁物である。