■■ Weekly Fax News 631 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 遺族年金―男女で違う扱い 」
(2)「 困(くるし)みで学ばざる 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 遺族年金―男女で違う扱い 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
大きく分けて、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類がある。
遺族基礎年金は、死亡した夫が国民年金や厚生年金などの加入者で、
一般的に高校生以下の子どもがいる妻に支給される。年79万210
0円の基本額に、子ども2人までは1人につき年22万7900円、
3人目以降は同7万5900円が加算される(金額は2010年度分)。
妻と子ども1人の家庭では、年間102万円。子どもが18歳にな
った年の年度末までで支給は打ち切りとなる。
夫が会社員など厚生年金加入者で、高校生以下の子どもがいる妻は、
遺族基礎年金、遺族厚生年金の2階建て年金が支給される。子のいな
い妻は、遺族厚生年金だけの支給だ。
妻は通常、遺族厚生年金を生涯、受給できる。ただ、夫の死亡時に
妻が30歳未満で、夫婦に子どもがいない場合、受給は5年間限定と
なる。また、夫の死亡時に妻の年収が850万円以上あり、その年収
が継続的に見込める場合、妻は遺族基礎・遺族厚生のいずれも受給で
きない。
遺族年金は、女性と男性で扱いが違う点に注意してほしい。国民年
金や厚生年金などの加入者の妻が亡くなった際、夫婦に子どもがいて
も、夫には遺族基礎年金は支給されない。遺族厚生年金も、厚生年金
加入者の妻の死亡時に、夫が55歳未満だと支給されない。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 困(くるし)みで学ばざる 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
長年に亙って商売を続けていれば、誰でも業績不振や大きなトラブ
ル発生等に直面する。問題は、生涯に1,2度の困窮ではなく、毎年
(又は毎月、毎日)決まって発生するような課題をなおざりにするこ
とである。例えば、毎年決算期ごとに発生する赤字を見過ごしている、
毎月末の資金繰り難を高利資金によって乗り切っている、同じような
接客や商品の苦情が毎日発生している、社員同士の紛争が常時存在す
る等、改善策を本気で考えていない。
『論語』(金谷治訳注・岩波文庫参照)の中には、行き詰まってか
ら学ぶ人はあまり上位の人ではないが、行き詰まっているのに解決策
を学ぼうとしない(「困(くるし)みて学ばざる」と表現)のは最も
下等とある。中小企業を指導していると、毎年(又は毎月、毎日)同
じような困難に直面しながら、その解決策を学ぼうとしない経営者等
が多いことを痛感する。例えば、毎月資金繰りに苦労している経営者
が資金繰り表の作成法や見方を知らなかったり、毎年赤字決算をして
もその原因分析や対応策を実施しなかったりすることである。中には、
手形の不渡り被害を繰り返し受けても、その法制度や予防策を真剣に
学ぼうとしない人もいる。せめて行き詰まったと思う時は、その対応
策を学ぶことが重要である。