■■ Weekly Fax News 646 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 雇用調整助成金の不正受給防止強化 」
(2)「 身近に置く愛読書 」
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◆「 雇用調整助成金の不正受給防止強化 」◆
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雇用調整助成金は経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくさ
れた事業主が、従業員の雇用を維持するために休業等を行った場合、
一定の要件を満たせばその費用の一部が助成される制度だ。
助成金により解雇などを行うことなく雇用を維持できたという声が
ある一方、一部では不正な受給が行われているのも事実だ。厚生労働
省ではそのような不正受給に対して防止対策を強化、2010年4月
から7月の間だけで架空の休業や教育訓練を実施したなどの虚偽の申
請を行った事業所は54事業所あり、不正受給総額は10億円以上に
のぼっている。
同省および都道府県労働局では2010年4月から休業等を実施し
た労働者に対して電話ヒアリングを実施するなどの不正防止対策強化
第一弾を、7月からは一定の要件を満たした事業所については必ず実
地調査を行うなどの第二弾の対策を講じている。今回、不正受給防止
対策強化第三弾として行われるのは、そのような不正受給を行った事
業所については、事業主の名称、代表者氏名、事業所の名称、所在地、
概要、不正受給の金額、内容を公表するというものだ。意図的な不正
受給は相当なペナルティを課せられることをしっかり認識しておく必
要があるだろう。
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◆「 身近に置く愛読書 」◆
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先日、地元の図書館開催「私が人生で感動した本」という地元出身
者50人程度の展示会を見学した。実物の本も展示されていて、司馬
遼太郎の作品が一番多かった。
経営者に好きな本を聞いてみると、歴史小説や自己啓発書のような
ものが多い。渋沢栄一や松下幸之助のような、偉大な経営者が残した
本を愛読する人も多くいる。
以前、筆者が講師をした講演会後の懇親会で、30歳代の経営者か
ら愛読書に対する極端な感想を聞いたことがある。「私は好き嫌いで
無闇に本を読まない。特に、決断に迷ったような場合は絶対読まない。
ますます迷ってストレスになるからだ。読むのは実用書だけである」
と。また、あなたの愛読書は何ですかと聞くと、「読書の時間など全
くない」と答える人もいる。このような発言は、本に対する反感(過
去、本に書いてある通り行動して失敗した等)や過大な自己顕示から
来ている場合もあるであろう。しかし、経営者が仕事上深刻な問題に
遭遇したり、大きな不幸に遭ったりした場合、同じことを言い続ける
だろうか。
経営者は何かに悩むと、他人に相談することが珍しくない。しかし、
全ての悩み事を他人に相談する訳にはいかない。そのような時に、自
然に読む本が愛読書である。いつも身近にいる助言者ではなかろうか。