■■ Weekly Fax News 661 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 空から『全損』認定 ― 損保協会 地震保険金支払いで 」
(2)「 強いものは折れる 」
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◆「 空から『全損』認定 ― 損保協会 地震保険金支払いで 」◆
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日本損害保険協会は28日、東日本巨大地震で津波や火災の被害を
受けた住居などに対する地震保険の支払について、壊滅的な被害を受
けた地域は航空写真や衛星写真で確認し、「全損地域」に認定すると
発表した。通常は1件ごとに現場で立ち会って調査するが、地震の被
害が広範囲に及ぶため、調査の手間を省き、早期に保険金を支払うこ
とを目指す。
損保協会がこうした反応をとるのは初めて。1995年の阪神大震
災と異なり、被災地域が岩手、宮城、福島などにまたがり、通常の立
ち会い調査では保険金支払いまでに長い期間がかかることから、異例
の対応に踏み切る。
「全損」に認定されると契約金額が100%支払われ、建物は最大
5000万円、家財が最大1000万円まで支払われる。
また、木造住宅や家財道具の一部損害についても、契約者の自己申
告による書面調査を導入する。契約者が提出した書面や写真で被害状
況を審査し、「一部損」と認定すれば、現地調査を省略して保険金を
支払う。
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◆「 強いものは折れる 」◆
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通勤途上の駅近くに立派な竹林があり、先日の大雪で大半の竹が倒
れてしまった。しかし、2日程で元通りになっていた。他方、竹林の
傍らにあった松の太い枝は、雪の重みで折れて元に戻ることはなかっ
た。X社(建材卸及び建設業)は、バブル経済崩壊後も良好な財務状
態で推移した。同社の地域内では数少ない健全会社として注目された。
そこで、X社の下請業務や提携を希望する会社が急増した。X社の経
営者はこれらの要望を出来るだけ受け入れたため、会社の規模が短期
間で2倍以上になった。
ところが、余裕資金を株式投資や不動産で運用していたところ、あ
る日株が急落して大きな損失になってしまった。さらに、経済不況
(注文建築数の減少や土地の値下がり等)に襲われ、売上代金の回収
が滞って、瞬く間に資金繰りが行き詰まってしまった。
X社は元々余裕があったためか経営者に危機感が少なく、売上や投
資の規模を急拡大した結果、株式下落や土地値下がり等の影響を大き
く受けてしまった。不況時に健全経営を維持する為にはむしろ減量経
営が適切であることを自覚していれば、おそらく今回も無事乗り切れ
たであろう。
たとえ強いものであっても状況判断に油断していれば、大きな危機
に遭遇して、ある日突然折れてしまうこともある。