■■ Weekly Fax News 658 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 高年齢雇用継続給付金 ― 給与激減は給付金で緩和 」
(2)「 ターニングポイントの予見 」
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◆「 高年齢雇用継続給付金 ― 給与激減は給付金で緩和 」◆
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定年を迎えた会社で60歳以降も働く場合、定年前より給与が大き
く減ることが多い。定年後、別の会社に再就職した場合も、定年前の
給与水準を維持するのは難しく、やはり減るのが一般的だろう。ただ、
一定の条件を満たすと、減った給与の一部を補う形で、雇用保険から
お金が出る。高年齢雇用継続給付金と呼ばれる。
条件とは、①雇用保険の加入期間が5年以上②60歳以降の給与が、
60歳到達時点の給与の75%未満に下がる―など。給付金額は、給
与が減らされるほど大きくなる。60歳以降の給与が61%以下に下
がると、給与の15%という給付金の最大額が受け取れる。
60歳以降の月給20万円、過去1年の賞与60万円、年金120
万円という事例で考える。60歳到達時点の月給を35万円とすると、
60歳以降の給与はそれ以前の約57%と、61%以下になっている。
このため、高年齢雇用継続給付金は、月額20万円の15%にあたる
3万円となる。
在職老齢年金の仕組みにより、月給と、実際に受け取る毎月の年金
の合計は26万5000円。ここに給付金3万円が加わるのだ。ただ、
高年齢雇用継続給付金を受け取っている間は、年金が一部減らされる
点には注意が必要だ。先の事例で見ると、20万円の6%、1万20
00円が年金から減らされ、毎月の総収入は28万3000円となる。
なお、高年齢雇用継続給付金の受給対象は、60~64歳となって
いる。65歳以降働き続けても、この給付金はもらえないので気をつ
けたい。
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◆「 ターニングポイントの予見 」◆
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物事の現象には、突然の変化がある。例えば、片栗粉にお湯を注ぎ
ながらかき混ぜていると、白色から透明に変わる時点がある。大きな
転機を「ターニングポイント」と言うが、長年商売をしていればこの
現象を大抵の人が経験しているものである。
人口6万人程の某地方都市にある中心商店街で80坪の食品スーパ
ーが火事になった。結果、一時的と思われた顧客の流れが、郊外にあ
ったスーパーチェーンに移動してしまった。しかも、食品スーパー周
辺店舗の客数が大きく減少し、5年で3割近くが空き店舗になってし
まった。商店街の一核店舗の火事が原因の転機であったが、商店街の
その後の変化は偶然ではないように思われる。火事以前から何かきっ
かけがあれば、客足の流れが商店街から大型店に移動することは予見
出来たからである。
商店街盛衰等の転機には、新しい幹線道路が出来た、大型店が次々
に出店した等何かの原因がある。しかも、その転機の原因は突然発生
するのではない。つまり、転機の原因と結果が交錯しながら、消費生
活スタイル・嗜好のの変化や商店街の衰退等は徐々に進行し、ある日
突然大きな転機が出現するのである。したがって、世の中の状況をじ
っくり観察していれば、多くのターニングポイントは予見が可能であ
る。