■■ Weekly Fax News 659 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 金融円滑化の活用状況 ― 758,800件超に上る 」
(2)「 明確な目標を持つ強み 」
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◆「 金融円滑化の活用状況 ― 758,800件超に上る 」◆
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金融庁はこのほど、中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件の変更
等の状況(速報値)を発表した。数値は、平成21年12月4日(同
法の施行日)から平成22年12月末までの実績。中小企業者である
債務者が銀行に対して行った申込みは、全銀行(145行)の合計で
866,495件。うち758,818件(256,796億円)が
実行に至った。実行率①は全体で96.9%、実行率②は87.6%
となっている。
※実行率①=実行件数/(実行件数+謝絶件数)
実行率②=実行件数/申込み件数
謝絶は計24,028件で、審査中は計53,442件、取下げは
計30,207件。実行件数の内訳を銀行の区分毎に見ると、主要行
等(11行)が164,094件(87,329億円)、地域銀行
(106行)が585,750件(168,416億円)、その他の
銀行(28行)が8,974件(1,051億円)であった。
中小企業者等の業況や資金繰りが依然として厳しく、同法の期限を来
年3月まで一年間の延長を決定。あわせて、金融機関による継続的な
モニタリング、経営支援計画の策定支援を一層定着させるため、監督
指針を改定することとなっている。
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◆「 明確な目標を持つ強み 」◆
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「面白きこともなき世に面白く」(上句)これは幕末、長州藩の尊
王攘夷の志士『高杉晋作』(1839-1867)の辞世の句とも言
われる。皆様は、この後にどんな言葉を続けますか。彼を看病してい
た『野村望東尼(もとに)』は、「すみなすものは心なりけり」(下
句)と詠んだそうだ。解釈は区々であるが、この世を首尾良く渡る為
には目的や目標を持ち続ける心意気が大切という意味であろう。高杉
晋作も英国への留学を夢見ていた。
さて、筆者は経営相談会で時々経験するが、創業間もない人が事業
多角化や事業転換で相談し、結局廃業要領の指導に終わることが珍し
くない。創業当初から、開業している目的や目標が曖昧な人が多いよ
うだ。事業の継続は、明確な経営ビジョンを持っているかどうかが分
かれ目となる。具体的には、商売を始める(又は継続する)動機や目
的は何か、どんな商品をどんなシステムで営業するのか(事業分野)、
どんな規模の商売をするのか、等である。大抵の人はこのような話を
当たり前の準備と心得ているが、創業予定者(又は既に開業している
人)の一部の方は明確になっていないのである。商売をしている目的
や目標が明確でなければ、首尾良く経営を続けることが遠からず困難
になるであろう。