■■ Weekly Fax News 672 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 税制改正の抜本改革 ― 政府税調が論点整理 」
(2)「 役割に目覚める 」
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◆「 税制改正の抜本改革 ― 政府税調が論点整理 」◆
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政府税制調査会は先日の全体会合で、税制全体の抜本改革に向けた
論点整理をまとめた。今週中にも改革の方向性を決定、社会保障と税
の一体改革案に盛り込む予定。示された整理の方向性は以下の通り。
【個人所得課税】各種の所得控除の見直し/税率構造の改革/番号制
度等を前提とする、関連する社会保障制度の見直しと併せた給付付
き税額控除の検討/金融所得課税の一体化
【法人課税】課税ベースの拡大等と併せた法人実効税率の引下げ
【消費税】消費税収の社会保障財源化/2015年度までに税率10
%への段階的引上げ/逆進性対策として「還付制度」の優先的検討
/社会保障給付における国と地方の役割分担に応じた税収配分
【消費課税(消費税以外)】二酸化炭素排出抑制等を図るためのエネ
ルギー課税導入/地方公共団体の地球温暖化対策に係る財源を確保
する仕組みの検討/簡素化、グリーン化、負担軽減等に向けた車体
課税見直しの検討
【資産課税】相続税の課税ベース、税率構造の見直しによる負担の適
正化/世代を超えた資産格差の固定化に配慮した贈与税軽減
【地方税制】※社会保障制度の安定財源確保、税源の偏在性が小さく
税収が安定的な地方税体系の構築等について、現場の意見聴取も踏
まえ、整理の方向性を検討。
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◆「 役割に目覚める 」◆
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人は何かを失うことによって幸福に目覚めると言う。幸福は人を余
り成長させないが、不幸は人を大きく成長させることがよくあると言
う。このたびの東日本大震災においても、貴重な体験を多く見聞した。
X社(化成品製造業)営業担当のA常務(38歳)は、大学卒業後
X社の後継者として、父親である社長の指示通りに働いていた。周囲
からは将来の経営者として認知されているので、父親や役職員の働き
方に抵触しなければ別段難しい事は全くなかった。会社の業績は順調
に推移し、あと10年もすれば当然社長になるものと思っていた。と
ころが、3月の大地震によって東北地方3箇所の営業所機能がほとん
ど停止してしまった。A常務は直ちに数人の社員を連れて現地に行き、
少しでも早く元の活動ができる体制の復旧を目指した。結局、目途が
つくまでにこれまで経験したことがないような苦しい2ヶ月を要した。
これに一番関心したのは、親族以外の役職員であった。A常務がこれ
ほど非日常的な職務を上手くできると思っていなかったからである。
A常務はこの職務を振り返って初めて、これまでの日常がいかに平穏
で多くの仲間に助けられていたかを実感した。予想もしなかったこの
経験によって、今の役割や将来担う経営者の責任に目覚めたのである。