■■ Weekly Fax News 677 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 IT活用による ― 『見える化』の業務改善 」
(2)「 『三方よし』の経営行動 」
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◆「 IT活用による ―『見える化』の業務改善 」◆
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業務改善提案は、どこの企業でも行われている。改善を行うべき分
野は様々あり、企業の発展にとって業務改善は必須である。改善の目
的は、効率化、省力化、コストダウンなど明快であり、改善方法とし
てITの活用が考えられることが多い。IT化は、個々の作業の効率
化も実現できるが、業務全体や複数の作業の流れなどトータルの効率
化やコミュニケーションに大きな効果を発揮できるからだ。
現在、全国的に原発停止の影響による電力供給不足に伴って、電力
消費量の「見える化」が大きく報じられている。「見える化」は、ガ
ラス張りや透明性とよく似ているけれど、見えるだけでなく状況を感
知して必要な対策を講じるという次のアクションを起こす目的も伴う。
「見える化」は、リアルタイムの対応ができるため、業務処理におい
ても改善効果がある。
というわけで、「見える化」を一般的な業務処理の中に取り組むと
まだまだ多くの業務改善が可能であろう。情報共有はITの得意とす
る分野であり、目的がはっきりとしている場合に効果を発揮する。業
務処理の中で見えるようにしたいものを発見することにより、「見え
る化」が業務改善に貢献することになろう。
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◆「 『三方よし』の経営行動 」◆
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近江商人の経営理念に「三方よし」というものがある。これは、
「売り手よし、買い手よし、世間よし」である。自分と取引相手だけ
儲かれば良いという商売ではなく、世間(その地域の住民等)からも
喜ばれるような経営行動をすることである。日本の企業が東南アジア
等に進出して、現地の企業と共同事業を展開するような場合、進出先
の国や地域住民が歓迎する行動が必要である。国内でも、地方に工場
や大型店等を作る際には、取引企業(消費者)の利益だけでなく、そ
の地域の文化や労働事情を配慮する必要がある。地元の人々を優先的
に採用したり、その土地の祭りや文化財保護を支援したりすることも
有効である。商売がその地域に定着できるかどうかは、「三方よし」
の理念を尊重するかどうかで決まる。筆者が住む町では祭りや自治会・
商店街のイベントが盛んであるが、そのたびに中にある工場の運動場
やスーパーの駐車場が会場や駐車場として提供される。時には、当該
企業や関係先の従業員が祭りやイベントに参加することも珍しくない。
個々の取引も同様で、たとえ売る人と買う人が満足しても、結果その
商品が環境を汚染したり、第三者の生活に迷惑を掛けたりすれば、恐
らく安定した経営は望めないであろう。「世間よし」を忘れてはなら
ない。