■■ Weekly Fax News 674 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 H23税制改正修正案成立 ― 抜本改革案は継続検討 」
(2)「 赤字を乗り切る 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 H23税制改正修正案成立 ― 抜本改革案は継続検討 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
2011年度税制改正関連法案の修正案が22日衆院本会議で可決・
成立した。
これは、既に提出している2011年度税制改正法案のうち、6月
末で期限切れとなる租税特別措置などを切り離して修正したものを新
たな法案として(「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税
制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」)、閣議
決定し国会に提出していたもの。
内容は「雇用促進税制等政策税制の拡充」、「寄付金税制の拡充」、
「納税者利便の向上・課税の適正化(・年金所得者の申告不要制度の
創設・航空機燃料税の税率引き下げ・租税罰則の見直し等)」、また
期限切れ租税特別措置の延長等が盛り込まれている。
税制抜本改革の一環をなす本来の税制改正法案は、「経済社会の構
造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正
する法律案」に名を変え、復興のための2011年度補正予算の検討
と併せ、各党間で引き続き検討する、とされている。
給与所得控除の上限設定や、中小企業の法人税率引き下げ、相続税・
贈与税の課税対象者の拡大等に係る影響の大きい改正案については、
ほぼ先延ばしされた格好だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 赤字を乗り切る 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
「赤字が何期続いたら、会社は危ないですか」という質問を時々受
ける。筆者は、「会社の規模や赤字額にもよりますが、一般的に3~
5期で赤字累計が純資産を超えたら危ないですね」と回答する。
経験上、ずっと黒字が続いてきた会社が一旦赤字に陥ると、1期だ
けで回復することが難しい。初めての赤字に驚いて、その赤字幅を小
さくする策を講じる為かもしれない。例えば、減価償却の計上を見送
ったり、不良債権の処理等を少なめにしたりする。結局、次期以降に
赤字要因を持ち越して、何期か赤字が続いてしまう。中国古典の『礼
記』(四書五経のうち五経の一つ)に、「3年分の備蓄の無い国は、
国とは言えない」という言葉がある。本当は9年分以上の備蓄が望ま
しいという。会社にも、最低で3~5年分の蓄えが必要である。
「蓄え」とは、次のような資源である。
○換金の容易な現預金を一定割合持つ
○借入が有利となる担保力のある不動産や健全な在庫商品
○資産計上型の生命保険(解約返戻金が保険積立金を上回ることが
よくある)
○経営者の役員報酬を一部貯めておいて、会社に貸し付けたり、増資
をしたりする
○銀行や金融公庫とのコミュニケーションをとって、実績と信用を積ん
でおく。