■■ Weekly Fax News 681 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 私的整理の手続き費用補助 ― 二重債務問題対策―金融庁 」
(2)「 鶴の一声 」
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◆「 私的整理の手続き費用補助 ― 二重債務問題対策―金融庁 」◆
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金融庁は、東日本大震災で生じた、いわゆる二重債務問題の軽減策
の一環として、被災した債務者が破産手続き等の法的倒産手続きによ
らず、第三者機関「一般社団法人個人版私的整理ガイドライン運営委
員会」を利用して、私的な債務整理によって債務免除を行う際の弁護
士費用などを補助することにした。8月22日から実施。
補助金は、23年度東日本大震災復旧・復興予備費の中から10.
7億円を充てる。個人債務者による私的な債務整理の申し出や個人債
務者の弁済計画案作成、弁済計画案についての報告書作成(弁済計画
案のチェック)、弁済計画案の説明――などの手続きを、本来被災し
た債務者自身の負担のところ、運営委に対して補助を行うことで、被
災した債務者は無償でこれらの支援を受けられる。政府は二重債務問
題について、震災からの着実な復興のために適切に対応しなければな
らない重要課題と認識。6月17日に「二重債務問題への対応方針」
をまとめ、その中に個人向けの私的整理ガイドラインの策定を盛り込
んだ。これを受け「個人債務者の私的整理に関するガイドライン研究
委員会」が7月15日、私的整理を行う場合の指針となるガイドライ
ンをまとめ、運営委を設置。8月22日からガイドラインの適用を開
始した。
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◆「 鶴の一声 」◆
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重大なことを決定する際、大きなポイントは速さだと言われる。ど
んなに慎重な審議をしても、決定が時機を失すれば結果は不首尾とな
ろう。
江戸時代の殿様は家臣(特に家老や用人)の審議や答申を聞いて、
その決定は「よきにはからえ」と一種の同意を指令することが多かっ
たそうだ。決定事項の承認を求めた時は当然、意見が分かれて紛糾し
たような場合でも、やがて殿様が「よきにはからえ」と言えば大抵話
がまとまったのであろう。これが鶴の一声の典型かもしれない。
会社の会議等で結論が簡単に出ない場合、経営者(又は役員や管理
者)のどんな一言が決め手になるのだろうか。
例えば、「皆の意見は分かった。あと3分以内で決定しよう。それ
で合意出来なければ、私が決める」「皆の評価が区々で決め手になる
人の応募が無かった。今回の採用は総務課長に任す」「我が社はスピ
ードが命だ。機械A・B・C、どれも一長一短あるが、加工速度が一
番速いAを購入しよう」等。大事なことは上に立つ者が何を言うかだ
けでなく、職場における存在感や部下からの信頼度がどれだけ高いか
による。鶴の一声になるかどうかは、発言する人の地位だけではなく、
日頃の行動等が信頼されている人の発言であるかどうかにもよる。