■■ Weekly Fax News 687 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 会社員の副業の是非 ― すべて問題行為扱いは困難 」
(2)「 金高騰による世相 」
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◆「 会社員の副業の是非 ― すべて問題行為扱いは困難 」◆
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多くの企業では、就業規則で社員の副業を禁止している。副業をす
ることで睡眠不足などが起き、日常業務に支障が出る、同業の会社な
どで副業することにより、会社の機密やノウハウが漏れる可能性があ
るといった企業の防衛のためにそのような禁止事項が存在しているよ
うだが、原則として、就業時間以外の社員の行為を拘束することは極
めて困難だ。
株式会社インテリジェンスが25~39歳の正社員800人を対象
に行った調査では、副業している人は20.1%に達している。もは
や副業は「あり得ない」ことではないようだ。前述のように就業時間
以外の行為について企業がどこまで関与できるかは難しい問題となる。
社員が週末に書いた小説が入賞して賞金をもらった、投資用マンショ
ンを所有し収入を得ている、株式やFX取引による所得があるなど、
起こりうることだろう。勤務先以外からの所得があることのみをもっ
て副業禁止規定に該当、懲戒や解雇といった措置をとることはリスク
が高い。日常業務に支障がある、ノウハウや機密が流出する、会社の
品位を貶めるなどの行為が伴った場合については企業として問題にす
ることも可能だが、すべての副業が問題行為ということにはならない
ので注意が必要だ。
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◆「 金高騰による世相 」◆
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金の高騰が続いている。但し、金を買う人が増えているわけではな
い。労働収入や株が低迷している為か、手持ちの金又は金製品を処分
して現金を手にする人が目立つ。貴金属等を買い取る知人のショップ
には、連日顧客が多く来店している。中古品を買いに来る人よりも金
を売りに来る人のほうが多い。意外に日本人も金や金製品を買い溜め
していたものだと感心する。気になるのは、金を売って得た金銭の使
いみちである。景気が良いときならば、衣服や宝石等買ったであろう。
多くの人々は不景気で目減りした月給の補てんや借金や住宅ローンの
返済に充てているのかもしれない。
もう一つの問題は、全く異なる業界から貴金属買い取り店への参入
が目立つが、中長期的に判断して得策だろうか。例えば、衣料品店の
片隅等で一時的に営業している為、過去の店舗イメージを壊している
場合がある。一度壊れた店舗イメージと長年積み上げてきた信頼性を
回復することは容易ではない。また、金を売りに来る人が従来の客層
と違う為か、店員が接客や防犯に戸惑うこともある。当然ながら、貴
金属の鑑定・査定に関するノウハウも低いようだ。相場商品を扱う商
売への参入は中長期的な視点が求められる。