■■ Weekly Fax News 698 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 『年金』税区分に 所得申告分かりやすく 」
(2)「 娘婿による事業承継 」
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◆「 『年金』税区分に 所得申告分かりやすく 」◆
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政府は16日、所得税と個人住民税の課税対象となる個人の年金収
入について、新たに「年金所得」と呼ぶ税務上の分類を創設する検討
に入った。現在、年金収入は「雑所得」に分類されているが、独立し
て分類することで確定申告が必要な年金受給者の手続きが分かりやす
くなることを期待している。政府は社会保障・税一体改革の素案に盛
り込む方針だ。
政府は「年金所得」の新設に合わせて、年金の受給額が比較的少な
い人を対象に、国民年金など公的年金の収入額から差し引いて税負担
を軽くする「公的年金等控除」を拡大する税制優遇措置なども検討す
る。
所得税と個人住民税を算出する際、所得は「給与所得」や「事業所
得」など10種類に分類している。
年金収入は、例えば職業作家でない人が得た原稿料などと同じ雑所
得に振り分けられている。他の所得と同じく、年金額から各種控除を
差し引いた残額が課税対象となり確定申告の必要がある。
政府は、年金収入を雑所得から切り離し、納税の仕組みを分かりや
すくすることで高齢者らの確定申告を促すことも想定している。
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◆「 娘婿による事業承継 」◆
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大阪商人は息子による後継ぎよりも、一部娘婿によるそれを歓迎す
る向きがあるようだ。商売に向く息子かどうかは選択できないが、娘
の婿であればある程度は選択に口出しできると考えるのであろう。
家電品販売と電気工事のX会社を経営するAさんには、一男二女が
いた。長男は大卒後アメリカに留学し、バイオ関連の研究者として現
地の研究機関に就職してしまった。長女と次女は父の会社に勤務した
が、X社の経営者になれる才能は見込めなかった。ところが、現在X
社は長女と次女の婿が社長と常務に就いて、業績を大いに伸ばしてい
る。長女は地元青年会議所の活動中に知り合って結婚し、今の社長は
9年前長女の退職と入れ替わりでX社に入った。Aさんはこのとき、
長女の婿を将来の社長に決めていた。次女の夫も似たような経過でX
社に入って、社長の片腕になっている。
中小企業は、依然として男系親族による同族経営に拘る経営者が多
い。たとえ娘がいても息子がいないと言うだけで(又は子供が全くい
ない)、将来の事業継続を諦めている場合もある。人格を無視するよ
うな政略結婚は勧めないが、娘婿を後継者にすることは、事業継続を
維持するとともに現経営者による後継者の選択肢を広げる可能性があ
るかもしれない。