■■ Weekly Fax News 704 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 増加するパワハラ ― 厚労省が分類を公表 」
(2)「 視点を定める 」
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◆「 増加するパワハラ ― 厚労省が分類を公表 」◆
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職場におけるいじめや嫌がらせ問題が深刻化している。都道府県労
働局に寄せられる「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は平成14年度
には約6,600件だったが、平成22年度には約39,400件へ
と増加。結果的に退職につながったり、精神的なダメージによるうつ
病の発症など、企業にとっては大きなリスク要因となっている。厚生
労働省が公表した資料によると、パワハラのパターンには、
(1)身体的な攻撃を伴う暴行や傷害
(2)精神的な攻撃である脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
(3)人間関係から切り離す隔離・仲間外し・無視
(4)業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の
妨害
(5)業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事
を命じることや仕事を与えないこと
(6)私的なことに過度に立ち入ること、 があるとされている。
(1)から(6)までの行為は程度や頻度の差こそあれ、少なから
ぬ企業で見うけられる事象ではないだろうか。今回の分類例の公表に
より、そのような被害を受けた従業員はパワハラを受けたと判断する
ことになり、結果的に労使間紛争につながりかねない。まずは自社に
おいて、そのような行為があるのかどうかを確認しておく必要がある
だろう。
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◆「 視点を定める 」◆
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「目の付け所が良い」という褒め言葉がある。まさに商売の要諦の
一つである。
経営指導者として商店街や会社の視察に同行する時、前もって視察
の視点を伝えておく。例えば、商店街の視察であれば、看板類・街路
灯・歩道・店頭デザイン・品揃え・接客態度等の内から一つか二つ選
ぶ。視察後に行う相手方商店街との意見交換会が活発になり、「今日
の視察団は目の付け所が的確」という言葉を頂くことが多い。
また、卸売の営業開拓等における相手の状況把握も同様に、日頃か
ら何を中心に見てくるのか視点を定めておくことが有効だ。いくら熱
心に売り込んでも、相手に決定権や影響力がなければ埒が明かず、第
一に購入を決めるキーマンを探す努力が大切だ。第二に、相手方の関
心が何処にあるかを把握して活動の視点を定めることである。例えば、
食品卸会社が飲食店や病院等に売り込む場合は、相手が重視する基準
は何か。価格の安さ、豊富な品揃え、健康面や安全性、味や見映え、
迅速な配達と納期厳守、差別化商品の企画提案等の中から、重視する
営業活動の視点を定める努力が求められる。以上の発想は、差別化商
品開発の視点(例えば地元農産物・自然・歴史的建造物・観光資源等)、
人材採用の基準等、経営のあらゆる判断にとって重要である。